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2008年11月30日

E-文 826<第52回>

E-文826
               〜第52回「意味、品詞をお間違えなく」〜

こんにちは、Mr. Oです。今日で形容詞・副詞を終えます。意味や品詞などを間違えやすい形容詞・副詞を紹介しますね。
 
■紛らわしい形容詞と副詞
1. They gave some evidence of the ill effects of smoking on health.
「彼らは喫煙の健康への悪影響に関する証拠をいくつか挙げた」
2. Give me a call at nine sharp.
「9時ちょうどに電話を下さい」
3. I hardly remember what happened at that night.
「あの晩何が起こったのかほとんど覚えていない」
4. Be considerate of those around you.
「周りの人を思いやりなさい」
5. Go upstairs. I must talk to Dad.
「上へ行ってなさい。お父さんと話があるの」


それでは解説です。今回は紛らわしい形容詞と副詞ですね(1〜5番)。
1. They(S) gave(V) [some evidence of the ill effects of smoking on health](O).「彼らは喫煙の健康への悪影響に関する証拠をいくつか挙げた」
●まずは限定用法と叙述用法で意味の異なる形容詞です。1番のillがそれです。形容詞illは叙述用法では「病気の」という意味になります。しかし、1番のように限定用法では「悪い」という意味を表すんです。他にも、E-文第48回3番のpresent「現在の(限定)、出席している(叙述)」も限定用法と叙述用法で意味が違いますね。

2. Give(V) me(O1) a call(O2) /at nine sharp(M).「9時ちょうどに電話を下さい」
●2番で用いられているsharpはどんな意味でしょうか。「鋭い」という日本語訳を思い浮かべた人が多いかもしれませんね。しかし、これは形容詞sharpの意味です。2番のsharpは形容詞ではなく、副詞です。そして、副詞sharpは「ちょうど」という意味を表します。つまり、品詞の違いによって意味が異なるんですね。(どちらもsharpという同一語ですよ。)
このような例は他に、still「まだ(副詞)、静かな(形容詞)」、even「〜さえ(副詞)、平等な(形容詞)」などがあります。

3. I(S) hardly remember(V) [what happened at that night](O).「あの晩何が起こったのかほとんど覚えていない」
●次は-lyが付くことによって意味が異なるものを紹介しましょう。3番のhardly「ほとんど〜ない」がそれですね。hardは「一生懸命(副詞)、固い、難しい(形容詞)」という、3番のように『品詞の違いによって意味が異なる語』です。そして、このhardは-lyがつくことによって副詞hardlyという、意味が全く異った語になるんです。
このような語は他に、late「遅く(副詞)、遅い(形容詞)」とlately「最近」や、near「近い」とnearly「ほぼ」などがあります。
    ちなみにこの英文はE-文第32回1番で紹介した英文ですよ。

4. Be(V) considerate(C) /of those around you(M).「周りの人を思いやりなさい」
●今度は意味の紛らわしい形容詞です。4番のconsiderate「思いやりのある」とconsiderable「かなりの」は意味を混同してしまいがちです。considerは「考慮に入れる」という意味の動詞ですね。considerateは-ateという接尾語をつけることによって、形容詞になっています。「相手のことを考慮するだけの」という意味から派生して「思いやりのある」という意味を表しています。
それに対して、considerableは-able「〜できる」をつけて、「考慮することができるだけの」から派生し、「かなりの」という意味になっているんです。
このように意味の紛らわしい形容詞は他に、respectable「立派な」、respectful「礼儀正しい」、respective「それぞれの」や、imaginable「想像できる」、imaginary「想像上の」、imaginative「想像力に富む」などがあります。
ちなみに、このthose around you「(あなたの)周りの人」は、those (people who are) around youというように、people who areが省略されているので、このような意味になっています。

5. Go(V) /upstairs(M). I(S) must talk(V) /to Dad(M).「上へ行ってなさい。お父さんと話があるの」
●最後に名詞と間違えやすい副詞です。5番のupstairs「2階へ、上階へ」がまさにそれです。このように名詞と間違えやすい副詞は他に、abroad「海外に」、here「ここに」、home「家に」などがあります。

いかがでしたでしょうか。うろ覚えでなく、正しく理解し、覚えて使うようにしましょう。次回からは前置詞を勉強します。それでは、また。

(E-文 826<第52回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 

2008年11月29日

E-文 826<第51回>

E-文826
               〜第51回「副詞、その修飾の仕方」〜

こんにちは、Mr. Oです。前回まで形容詞を扱いましたから、今回は副詞です。形容詞の場合と同様、その用法と位置をみていきましょう。
 
■副詞の用法と位置
1. Unfortunately, his disease progressed rapidly.
「残念ながら、彼の病気は急激に進行した」
2. I didn’t know that she had moved out several months before.
「彼女が数ヶ月前引っ越したことを知らなかった」
3. Tom has already finished his homework, but John hasn’t even started yet.
「トムは宿題を既に終わらせたが、ジョンはまだ始めてすらいない」
4. He still hasn’t called me back.
「彼はまだ折り返し電話をしてこない」
5. It is much too hot today.
「今日はあまりにも暑すぎる」
6. This book provides a very interesting viewpoint regarding ethics.
「この本は倫理学に関して非常に面白い視点をもたらしてくれる」
7. Almost all the students agreed to participate in the study.
「ほとんど全ての生徒が研究に参加することに同意してくれた」
8. I know I should read books, but I mostly read comic books.
「本を読むべきなのは分かっているが、たいてい漫画を読んでいる」
9. She was a great pianist and also a composer.
「彼女は偉大なピアニストであり、作曲家でもある」
10. “I have never been abroad.” “Neither have I.”
「私は海外に行ったことがない」「私もだ」


それでは解説です。副詞の用法と位置ですね(1〜10番)。
1. Unfortunately(M), his disease(S) progressed(V) /rapidly(M).「残念ながら、彼の病気は急激に進行した」
●まずは副詞の位置についてです。副詞はその種類によって置く場所がある程度決まります。『場所を表す副詞』(here「ここに」、upstairs「階上へ」など)や『時を表す副詞』(yesterday「昨日」、now「今」など)、『一定の頻度を表す副詞』(monthly「毎月」、daily「毎日」など)は原則、文末に置きます。
I(S) saw(V) her(O) dancing(C) /yesterday(M).「昨日彼女が踊っているのを見た」
また、『不定の頻度を表す副詞』(always「いつも」、usually「たいてい」など)や『否定副詞』(never「いっさい〜ない」、rarely「めったに〜ない」など)はnotの位置に置きます。(一般動詞の前、助動詞・be動詞の後ということです。)
さて、1番ですがunfortunately「不幸なことに、残念なことに」を用いていますが、文頭にありますね。これは文全体を修飾しているんです。「残念に進行した」のではなく、「急激に進行したこと」を残念だと表現しているんですね。このように、文頭に置いて文全体を修飾することができる副詞は他にprobably「おそらく」、surprisingly「驚いたことに」、briefly「手短に言えば」などがあります。

2. I(S) didn’t know(V) [that she had moved out several months before](O).「彼女が数ヶ月前引っ越したことを知らなかった」
●さて、次は副詞agoとbeforeの違いを見てみましょう。ago「今から〜前」が使われる場合、意味から分かる通り、動詞は過去時制になります。しかし、2番のようにbefore「その時より〜前」を使うととき、動詞は過去完了形です。
また、agoは単独では使いませんが、beforeは単独で用いて「以前に」という意味を表すことができます。そしてこのとき、動詞は現在完了形、過去形、過去完了形のどれにもなれます。
I(S) have never seen(V) such a man(O) /before(M).「あんな人は見たことがない」

3. Tom(S) has already finished(V) his homework(O), but John(S) hasn’t even started(V) /yet(M).「トムは宿題を既に終わらせたが、ジョンはまだ始めてすらいない」
●次は副詞already、yet、stillです。already「すでに」はたいてい肯定文で用いられます。しかし、肯定の答えを期待しているときや、驚きを表す場合、否定文・疑問文で使われることがあります。
それに対して、yetは基本的に否定文(「まだ」の意)・疑問文(「もう」の意)で使われます。(「まだ」の意で肯定文に用いられることもあります。)否定文でyetを用いるときに大切なのが、必ずnot … yetの順で使うということです。yet … notという順にはなりません。
3番ならば、alreadyが肯定文で用いられ、yetが否定文で用いられていますね。(yetはもちろん否定語notより後ろにあります。)

4. He(S) still hasn’t called(V) me(O) /back(M).「彼はまだ折り返し電話をしてこない」
●still「まだ」は肯定文・否定文・疑問文で用いられます。(yetも「まだ」という日本語訳でしたが、yetは「まだ〜していない」という『未然』を表し、stillは「まだ〜している」という『継続』を表す点で異なります。)
4番は否定文で用いられていますね。yetがnotより後ろに置かれたのに対して、stillはstill … notつまり否定語notより前に置かれます。
さて、否定文で用いられるyetとstill、どのような意味の違いがでるのでしょうか。yetを否定文で用いた場合、『話し手は出来事が起こることを依然として期待している』ニュアンスを表します。しかし、stillを否定文で用いた場合は『話し手のいらだち、驚き、心配などの感情的反応』を表します。「もう彼が電話をしてきてもいいはずなのに、まだしてこない!」といった状況を思い浮かべて下さい。

5. It(S) is(V) much too hot(C) /today(M).「今日はあまりにも暑すぎる」

●    今度はveryとmuchです。muchは動詞・形容詞・副詞を修飾します。例えば、
        I(S) don’t like(V) cats(O) /much(M).「私は猫があまり好きじゃない」
このmuchは動詞を修飾しています。ここで、not … muchというようにmuchは否定語より後ろに置かれることにも注意して下さい。
そして、5番はmuchがtooという副詞を修飾しているケースです。much too hot「あまりに暑すぎる」のように、「あまりに」という意味を表します。

6. This book(S) provides(V) [a very interesting viewpoint regarding ethics](O).「この本は倫理学に関して非常に面白い視点をもたらしてくれる」
●6番で用いられているveryは形容詞・副詞を修飾します。ここではinterestingという現在分詞を修飾していますね。このように、boring「退屈させる」、exciting「興奮させる」などの現在分詞を修飾する場合はveryを用います。
それに対してdisliked「嫌われた」、admired「賞賛された」などの過去分詞を修飾する場合は原則muchを使います。(excited「興奮した」などのように形容詞化した過去分詞はveryで修飾します。)

7. Almost all the students(S) agreed(V) [to participate in the study](O).「ほとんど全ての生徒が研究に参加することに同意してくれた」
●さて次はalmostとmostです。almostは「ほとんどの」の意を表す副詞です。よく間違われるのですが、almost of 〜という形では使えません。(副詞ですからね。)7番のように、almost all of the+[名詞]「ほぼすべての[名詞]」という形でなら使えます。
それに対して、mostは「ほとんどの」の意で用いる場合は形容詞です。だから、most+[名詞]「ほとんどの[名詞]」という形になります。(また、mostは「ほとんど」の意で代名詞として使うこともでき、その場合はmost of+[名詞]「[名詞]のほとんど」という形になります。)

8. I(S) know(V) [I should read books](O), but I(S) mostly read(V) comic books(O).「本を読むべきなのは分かっているが、たいてい漫画を読んでいる」
●mostに-lyをつけた副詞mostlyは「たいていは」という意味を表します。8番ならば、「ほとんどの場合漫画を読んでいる」と考えれば、mostlyが「たいていは」という意味になるのもうなずけますね。

9. She(S) was(V) [a great pianist and also a composer](C).「彼女は偉大なピアニストであり、作曲家でもある」
●最後にalso、too、eitherです。肯定文で「〜もまた」という意味を表したいときはalsoかtooを用います。(alsoの方がtooより堅い言い方です。)alsoはたいていnotの位置(一般動詞の前、助動詞・be動詞の後)に置かれます。それに対して、tooは文末が多いです。
    I(S) want to study(V) /abroad(M), /too(M).「私も留学したい」
ちなみに、9番はShe(S) was(V) a great pianist(C) and she(S) was also(V) a composer(C).という文の2つ目のshe wasが省略されている、と考えてくださいね。

10. “I(S) have never been(V) /abroad(M).” “Neither have I.”「私は海外に行ったことがない」「私もだ」
●否定文に続けて、「〜もまた…ない」と表現したいときはeitherを使います。10番で”I(S) haven’t(V), /either(M).”「私もだ」と答えられるということです。
もちろん、10番のようにneither(not+either)を使って答えることもできます。ここではneitherという否定語が文頭に出ていますから、倒置が起きてhave Iという順になっています。(倒置についてはE-文第33回5〜8番を見て下さい。)ちなみに、これはNeither(M) have(Aux) I(S) been(V) /abroad(M).のbeen abroadが省略されたものだと考えて下さい。
また、肯定文に対して「私もだ」と言いたいときは、
“I(S) love(V) ‘Kenshinkan’(O).” “So do I.”「私は研伸館が大好きだ」「私もだ」
    このようにneitherではなくsoを使います。

いかがでしたでしょうか。次回、意味の紛らわしい形容詞や副詞を扱って「形容詞・副詞」を終えます。それでは、また。

(E-文 826<第51回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 

2008年11月26日

E-文 826<第50回>

E-文826
                〜第50回「数や量を表す形容詞」〜
 
こんにちは、Mr. Oです。今日は数量形容詞を紹介します。語そのものは、皆さんにとって馴染みのあるものばかりかもしれませんが、侮ることはできません。可算・不可算や品詞など、注意すべき点が多々あるんです。
 
■数量形容詞
1. I have mentioned it many a time.
「そのことは何度も言った」
2. Jar A contains three times as much sugar as jar B.
「壺Aには壺Bの3倍砂糖が入っている」
3. He came back to Japan only a few days ago.
「彼はほんの数日前帰国した」
4. That is not a little money!
「それは大金だ」
5. We don’t have enough time for that.
「そんな時間はない」
6. This novel was short enough for me to read in an hour.
「この小説は短いので1時間で読めた」
7. She can read several books a day.
「彼女は1日に数冊もの本を読める」
8. Would you like to have some coffee?
「コーヒーはいかがですか」
9. There isn’t any good Japanese restaurant in this town.
「この街にはいい日本食レストランがない」
 

それでは解説です。今回は数量形容詞です(1〜9番)。
数量形容詞とは、人や事物の数や量を表す形容詞のことです。例えばmany、much、(a) few、(a) littleなどが数量形容詞です。
1. I(S) have mentioned(V) it(O) /many a time(M).「そのことは何度も言った」
●まずはmanyとmuchから見ていきましょう。1番はmanyを用いています。しかし、1番の英文を見て違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか。manyの後ろには[可算名詞の複数形](例えばmany students「多くの生徒」など)しか置くことができないと思っていませんか。1番のように、many a/an+[可算名詞の単数形]という形で「多さ」を強調することができるんです。
ちなみに、これはaがあるため単数動詞で受けますが(例:Many a student is 〜)、意味は複数です。

2. Jar A(S) contains(V) three times as much sugar(O) /as jar B(M).「壺Aには壺Bの3倍砂糖が入っている」
●今度はmuchですね。muchの後ろに置かれる名詞は[不可算名詞の単数形]です。具体的には物質名詞(waterやsugarなど)について量が多いことを示したり、抽象名詞(difficultyやknowledgeなど)について程度が高いことを示したりします。
また、「多くの」の意味でmuchの代わりに、a great deal ofなども使われます。
We(S) had(V) a great deal of snow(O) /last year(M).「去年雪がたくさん降った」

3. He(S) came(V) /back(M) /to Japan(M) /only a few days ago(M).「彼はほんの数日前帰国した」
●次は(a) fewと(a) littleです。これも後ろに可算名詞が置かれるのか((a) few)、不可算名詞が置かれるのか((a) little)という大きな違いがありますね。
この数量形容詞を用いた表現のひとつに、3番で用いているonly a few+[可算名詞]「ほんの少しの[可算名詞]しかない」があります。(もちろん、不可算名詞を使うのならonly a little+[不可算名詞]「ほんの少しの[不可算名詞]しかない」となります。)

4. That(S) is not(V) a little money(C)!「それは大金だ」
●今度は不可算名詞であるmoney「お金」があるので数量形容詞littleが使われています。これはnot a little+[不可算名詞]「少なからぬ、多くの[不可算名詞]」という意味を表します。
他にも、quite a little+[不可算名詞]「かなり多くの[不可算名詞]」という表現もあり、どちらも名詞が可算名詞ならば数量形容詞(a) fewを使います。

5. We(S) don’t have(V) [enough time for that](O).「そんな時間はない」
●5番のenoughはどの語を修飾しているでしょうか。名詞timeですね。つまり、enoughは形容詞なんです。enough time「十分な時間」というように、修飾する名詞の数や量が十分であることを表しています。

6. This novel(S) was(V) short enough(C) /for me to read in an hour(M).「この小説は短いので1時間で読めた」
●6番のenoughは形容詞ではありません。shortという形容詞を修飾していますね。つまり、このenoughは副詞として機能しているんです。short enough「十分に短い」というように、修飾する語の程度が十分であることを表しています。

7. She(S) can read(V) [several books a day](O).「彼女は1日に数冊もの本を読める」
●次はseveralです。severalは「3以上だがmanyよりは少ない」というニュアンスを含んでいます。「3以上」というくらいですから、severalの後ろには可算名詞の複数形が置かれます。

8. Would(Aux) you(S) like(V) [to have some coffee](O)?「コーヒーはいかがですか」
●最後にsomeとanyについて触れておきましょう。これらは不定代名詞で取り上げましたが、形容詞としての用法を使って表現しているのが8〜9番です。
さて、このsomeとanyですが、肯定文→some、否定・疑問文→anyと覚えている人はいませんか。基本は確かにそうなのですが、これでは補いきれない場合がでてきます。それが8番ですね。
疑問文でsomeを用いた場合、相手から”yes”という肯定の答えを期待しているように聞こえます。(つまり、それだけ丁寧に聞こえるということです。)このように、肯定文以外でもsomeを用いることができるんです。

9. There(M) isn’t(V) any good Japanese restaurant(S) /in this town(M).「この街にはいい日本食レストランがない」
●この9番は問題ないのではないでしょうか。not+any という語順ですから、これは全文否定です。any「どれでも、誰でも」をnotが否定しているんでしたね。(部分否定、全文否定の理解があやふやな人はE-文第34回へ。)

いかがでしたでしょうか。形容詞はこれで終わりです。名詞、形容詞ときましたから、次回からは副詞です。それでは、また。
  
(E-文 826<第50回>おわり。)文責;Mr. O
  
 
From 西宮校の部屋

2008年11月25日

E-文 826<第49回>

E-文826
               〜第49回「人かitか」〜

こんにちは、Mr. Oです。今回もテーマは形容詞。今日はその形容詞が主語にとるのは[人]かitかに注目して進めていきます。

■形容詞と主語の関係
1. I am happy that you passed the exam.
「君が試験に合格して嬉しいよ」
2. He is able to teach Russian.
「彼はロシア語を教えることができる」
3. It is dangerous (for us) to swim in this river.
「この川で泳ぐのは危険だ」
4. She is difficult to talk with.
「彼女とは話しにくい」
5. It is surprising that she should know the news.
「彼女がその知らせを知っているとは驚きだ」
6. I am certain that the professor will not come today.
「教授が今日来るはずがない」


それでは解説です。今日は形容詞と主語の関係を取り上げますね(1〜6番)。
1. I(S) am(V) happy(C) /that you passed the exam(M).「君が試験に合格して嬉しいよ」
●形容詞には、[人]を主語にとれるものと、とれないものとがあります。まずは、[人]を主語にとれる形容詞です。1番のhappy「嬉しい」などのように、感情を表す形容詞の主語は[人]になります。(後ろのthat節は感情の原因を表しています。)
このように、感情を表す形容詞は、他にangry「怒って」、glad「喜んで」、surprised「驚いた」などがあります。

2. He(S) is able to teach(V) Russian(O).「彼はロシア語を教えることができる」
●2番のように、主語の能力を表す形容詞もまた、[人]を主語にとれます。[人] is able to V’「V’できる(V’する能力がある)」という構文です。同様に、capableを用いた構文もあります。[人] is capable of V’ing「V’できる(V’する能力を秘めている)」がそれです。しかし、()内に書いた通り、be able to V’は「能力がある」ことことに重点があるのに対して、be capable of V’ingは「能力を秘めている」ことに重点がある、という違いがあります。
また、主語の能力を表す形容詞なのですから、It is able to 〜という書き方はできません。主語はあくまで[人]なんです。

3. It(仮S) is(V) dangerous(C) [(for us) to swim in this river](真S).「この川で泳ぐのは危険だ」
●今度は[人]を主語にとれない形容詞です。例えば3番のdangerous「危険な」。3番は、このタイプの典型的な英文ですね。形式主語構文が用いられ、不定詞の意味上の主語も置かれています。このような形をとる形容詞は他に、difficult「難しい」、easy「易しい」、impossible「不可能な」などがあります。「[人]が〜するのは…だ」という意では、これらは[人]を主語にとることはできません。
また、この3番は次のように書き換えることができます。
        This river(S) is(V) dangerous(C) /to swim in(M).
ここで注目すべきは、欠落です。不定詞to swim inを見て下さい。前置詞inの目的語がありませんね。swim inの後ろに置かれるべきは勿論、this riverです。しかし、文頭に主語として既に書いてあるため、省略されているんです。(ちなみに、この3番はE-文第8回12番で紹介した英文です。)

4. She(S) is(V) difficult(C) /to talk with(M).「彼女とは話しにくい」
●3番と同じdifficultを用いていますが、これは[人]を主語にとっています。このように、例外的に主語をとる場合があるんです。(ただし、「[人]が〜するのは…だ」という意ではないですよ。)これも、前置詞withの目的語が抜けていますね。(もちろん、省略されているのは「彼女」です。)

5. It(仮S) is(V) surprising(C) [that she should know the news](真S).「彼女がその知らせを知っているとは驚きだ」
●さて、itを主語にとる構文をここで取り上げておきましょう。it is+[形容詞]+that S’ (should) V’という構文ですが、覚えていますか?この5番、E-文第4回17番の英文です。これは『話し手の主観的判断や感情』を表します。
ちなみに助動詞shouldは訳しませんが、shouldの存在は意味に影響しています。shouldがある場合、主観的な意味になり、感情が強調されますが、shouldがない場合、客観的な意味を表します。
It(仮S) is(V) surprising(C) [that she knows the news](真S).「彼女がその知らせを知っているのは驚くべきことである」

6. I(S) am certain(V) [that the professor will not come today](O).「教授が今日来るはずがない」
●最後に、人・itともに主語にとれる形容詞です。7番のcertain「確信している」がそれにあたります。7番のように[人]を主語にとったり、
It(真S) is(V) certain(C) [that he will win the election](真S).「彼が選挙に勝つのは確実だ」
このようにitを主語にとったりするんです。同様の意味を表す語としてsure「確信する(certainの方が客観的)」がありますが、これは[人]しか主語にとることができません。
I(S) am sure(V) [that she is going to Finland](O).「彼女がフィンランドに行くのは確かだ」

いかがでしたでしょうか。形容詞を用いるときは、その形容詞が[人]を主語にとれるかに注意を払うようにして下さいね。それでは、また。

(E-文 826<第49回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
  

2008年11月22日

E-文 826<第48回>

E-文826
               〜第48回「形容詞、その修飾の仕方」〜

こんにちは、Mr. Oです。今日から新しい単元、形容詞に入ります。形容詞は名詞を修飾する、といっても、どのような修飾の仕方をするのか。その用法と形容詞の位置をまずは学んでいきましょう。
 
■形容詞の用法と位置
1. My friend told me that I looked like my elder sister.
「友達が、私は姉に似ていると言った」
2. Nobody was aware of his illness.
「誰も彼の病気に気づいていなかった」
3. At the present time, the house is not open to the pubic.
「現時点では、その家は一般公開されていない」
4. Were all the members present at the meeting?
「メンバーは全員出席していましたか」
5. Five rich old men were told to act like regular people.
「5人の金持ちの老人は、ふつうの人々と同じように振舞うよう言われた」
6. Is there anything new?
「なにか変わったことはない?」


それでは解説です。今日は形容詞の用法と位置がテーマです。
形容詞とは、名詞を修飾するものですね。そして、その形容詞には2つの用法があります。ひとつが限定用法、もうひとつが叙述用法です。これは修飾の仕方の違いを表します。この2つの用法をそれぞれ見ていきましょう。
1. My friend(S) told(V) me(O1) [that I looked like my elder sister](O2).「友達が、私は姉に似ていると言った」
●まずは限定用法。これは名詞に直接つけて修飾する用法です。一般的に名詞の前に置かれますが、後ろに置く場合もあります。1番ならばelder「年上の」は限定用法で用いられています。(sisterという名詞に直接ついていますね。)
ちなみに、この形容詞elderは限定用法でしか用いられません。(ちなみにolderは限定用法、叙述用法のどちらでも使えます。)He is elder than me.とは言わない、ということですね。
他にも、former「前の」やouter「外の」なども限定用法のみで使われますし、chief「主要な」、main「主な」、only「唯一の」など『意味を強めたり限定する形容詞』も限定用法でしか使われません。

2. Nobody(S) was(V) aware(C) /of his illness(M).「誰も彼の病気に気づいていなかった」
●2番はaware「気づいて」という形容詞が叙述用法で使われています。叙述用法とは、補語の位置に置き、名詞の状態などを述べる用法のことです。限定用法のような、『限定する』ニュアンスはありません。叙述用法は『説明する』ニュアンス、と表現するのが適切でしょう。
さて、形容詞awareは叙述用法のみで使われるものです。このawareのように、頭にa-のつく形容詞は叙述用法だけに用いられるものが多いです(afraid「恐れて」、alike「似ている」、alive「生きている」など)。

3. At the present time(M), the house(S) is not(V) open(C) /to the pubic(M).「現時点では、その家は一般公開されていない」
●限定用法と叙述用法どちらの用法でも使えるけれども、用法によって意味の異なる形容詞を紹介しましょう。3番と4番がセットです。形容詞presentを例にとります。3番のpresentはどちらの用法で用いられているでしょうか。time「時間」という名詞に直接ついていますから、限定用法です。形容詞presentは限定用法のとき、「現在の」という意味になります。(3番ではat the present time「現時点で」というカタマリで使われています。)

4. Were(V) all the members(S) present(C) /at the meeting(M)?「メンバーは全員出席していましたか」
●3番に対して、4番では形容詞presentが叙述用法で使われています。文の補語になっていますね。叙述用法のとき、presentは「出席している」という意味をもちます。このように、限定用法と叙述用法とで意味の違う形容詞は他に、certain「ある(限定)、確かな(叙述)」、right「右の(限定)、正しい(叙述)」などがあります。

5. Five rich old men(S) were told(V) [to act like regular people](O).「5人の金持ちの老人は、ふつうの人々と同じように振舞うよう言われた」
●次に、形容詞の位置について学びましょう。1番で書いたように、限定用法の場合、形容詞は名詞の前に置かれるのが普通です。5番のregular people「ふつうの人々」はregular「ふつうの」という形容詞が限定用法で用いられ、people「人々」という名詞の前に直接ついていますね。
しかし、主語を見て下さい。five「5人の」、rich「金持ちな」、old「年老いた」という3つの形容詞それぞれが限定用法で用いられています。ここで浮かぶ疑問は、どの形容詞を先に書くべきか、ということですね。次のようなルールがあるので見て下さい。
[all又はboth]→[冠詞(a/an、the)や人称代名詞の所有格(my、yourなど)] →[数量を示す形容詞(first、sixなど)]→[性質や状態を示す形容詞(big、old、red、woodenなど)]の順
また、大まかには、話し手の主観性が強い形容詞ほど前に置く、と考えて下さい。five old rich menならば、まず[数量を示す形容詞]であるfiveをまず前に置きます。次に、[性質や状態を示す形容詞]であるoldとrichは、主観性の強いrichを先に書いています。(正確には[大小→形状→性質・状態→新旧→色彩]という法則に基づいています。)

6. Is(V) there(M) [anything new](S)?「なにか変わったことはない?」
●最後に、形容詞を名詞の後ろに置く場合です。6番のanything「どれでも」のように、-thing(又は-body、-one)で終わる不定代名詞を修飾するとき、形容詞は名詞の後ろに置きます。
また、the boy singing a song「歌を歌っている少年」などのように、形容詞句(2個以上の語が続いたもの)も名詞の後ろに置きます。
 
いかがでしたでしょうか。次回は形容詞と主語の関係について学んでいきます。それでは、また。

(E-文 826<第48回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
  

2008年11月21日

E-文 826<第47回>

E-文826
               〜第47回「特定・不特定をより深く学ぼう」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今日は冠詞の勉強をします。今回もポイントは『特定』・『不特定』です。この違いをより強く感じ、a/anとtheを正しく使い分けましょう。

■冠詞
1. Once upon a time, there were an old man and his wife.
「昔々あるところにお爺さんとお婆さんがいました」
2. I saw a monkey fall from a tree.
「猿が木から落ちるのを見た」
3. I wish I could have 25 hours a day.
「1日25時間だったらなぁ」
4. Can everyone be an Einstein?
「誰もがアインシュタインのようになれるのだろうか」
5. She sang a beautiful song, but I can’t remember the title of the song.
「彼女は美しい歌を歌ったのだが、その歌の名前を思い出せない」
6. What will you do if the sun explodes in a week?
「1週間で太陽が爆発するとしたら、何をしますか」
7. The rich are not always happy.
「金持ちがいつも幸せであるとは限らない」
8. A dog bit me in the leg.
「犬が私の足を噛んだ」
9. NASA announced that they found evidence of water on Mars.
「火星に水があった証拠を発見したと公表した」
10. Jane usually goes to school at eight every morning.
「ジェーンはたいて毎朝8時に学校に行く」
 

それでは解説です。今回は冠詞です(1〜10番)。
冠詞には、不定冠詞a/anと定冠詞theがあります。それぞれの特徴は、名前の通りですが不定冠詞は『不特定』のものを示し、定冠詞は『特定』のものを示すことです。
◇ 
1. I(S) saw(V) a monkey(O) [fall from a tree](C).「猿が木から落ちるのを見た」
●まずは不定冠詞a/anから勉強していきましょう。(aとanの使い分けかたは大丈夫ですか。文字ではなく、発音が母音ならばan、そうでなければaを使います。例えばhour「時間」はhで始まりますが、発音は母音ですのでan hourと書きます。)
不定冠詞a/anは『不特定』なものを指すと言いましたね。1番を見て下さい。この「猿」は「この猿」などという様に特定できるでしょうか。できませんね。「ある猿」が「落ちる」のを見たんです。また、この不定冠詞a/anは名詞が『不特定の単数』であることも示します。1番ならば、落ちた猿は1匹だったんですね。
◇    
2. Once upon a time(M), there(M) were(V) [an old man and his wife](S).「昔々あるところにお爺さんとお婆さんがいました」
●2番のan old man「おじいさん」もやはり、『不特定』ですね。不定冠詞a/anは、『初めて話題に上る名詞』を導入するという用法もあります。2番はおとぎ話の典型的な始まり方ですね。登場人物のan old man and his wife「お爺さんとお婆さん」は、おとぎ話の始まりですから、もちろん初めて話題に上るものです。(そもそもthere is構文は『新情報』を表すんですが、これは後に詳しく勉強します。)
他に、
Can(Aux) I(S) have(V) [a dozen of pencils](O)?「鉛筆を1ダースください」
のように、「1つの」という意味も表します。(この例ならば「1ダースというカタマリを1つ」ということですね。)

3. I(S) wish(V) [I could have 25 hours a day](O).「1日25時間だったらなぁ」
●不定冠詞a/anの用法をもう少し広げてみてみましょう。25 hours a day「1日につき25時間」のように、「〜につき(=per)」という意味もa/anは持ちます。

4. Can(Aux) everyone(S) be(V) an Einstein(C)?「誰もがアインシュタインのようになれるのだろうか」
●4番は見慣れない形かもしれませんね。固有名詞であるEinsteinに不定冠詞anがついています。不定冠詞a/anをつけることによって、『不特定さ』を表現しているんです。4番ならば、誰もが「アインシュタイン本人」になれるだろうか、と言ってもなれる訳がありません。しかし、「アインシュタインのような人」ならばなれる可能性を誰もがもっています。このように不定冠詞を加えることによって『不特定さ』を表し、「〜という人」という意味になります。
さらにここから派生し、a John「ジョンという人」、a Gogh「ゴッホの作品」という使われ方もします。
また、抽象名詞に不定冠詞a/anをつけ、具体的な実例を表すという用法もあります。たとえば、
    She(S) was(V) once(M) a beauty(C).「彼女はかつて美人だった」
    という様な使われ方です。

5. She(S) sang(V) a beautiful song(O), but I(S) can’t remember(V) the title of the song(O).「彼女は美しい歌を歌ったのだが、その歌の名前を思い出せない」
●今度は定冠詞theです。定冠詞はその名の通り『特定』を表しから、『すでに話題に上ったもの』に使われます。5番は、最初に「美しい歌」をa beautiful songというように不定冠詞aを用いて導入しています。(『初めて話題に上るもの』ですね。)そして次に「その歌の名前」と述べていますから(つまり新情報ではないんですね)、定冠詞を用いてthe songと表現しているんです。

6. What(O) will(Aux) you(S) do(V) /if the sun explodes in a week(M)?「1週間で太陽が爆発するとしたら、何をしますか」
●『特定』のものを指すということは、1つしかないものには定冠詞を使えばいいということです。6番ならばthe sun「太陽」です。1つしかありませんね。ただし、「半月」はa half moon、「満月」はa full moonというような例外もあります。(月が半月や満月などのいろいろな側面をもっているから『特定』できませんからね。)
他にも、『状況から分かる(特定できる)もの』(Open the window.「窓を開けて」)や『限定されたもの』(the only person「唯一の人」)にも定冠詞theを用います。どれも『特定』のニュアンスがありますよね。

7. The rich(S) are not(V) always happy(C).「金持ちがいつも幸せであるとは限らない」
●定冠詞theの用法をもっと広げていきますよ。7番のように、定冠詞the+[形容詞]で「〜な人々」という意味になります。複数扱いになることにも注意して下さいね。

8. A dog(S) bit(V) me(O) /in the leg(M).「犬が私の足を噛んだ」
●また、8番のように[体の一部]を表すときにも定冠詞theを用います。このように体の一部を用いた表現は間違えやすいので、少し紹介しておきますね。catch+人+by the arm「人の腕をつかまえる」、pat+人+on the shoulder「人の肩をたたく」、look+人+in the face「人の顔をみる」などといった表現があります。
他にもthe dolphin「イルカ(というもの)」のように総称的に表したり、by the+[単位]で「〜単位で」という意味を表したりします。
    たとえば、
        They(S) are paid(V) by the day(M).「彼らは日給制だ」
    といった使われ方です。

9. NASA(S) announced(V) [that they found evidence of water on Mars](O).「火星に水があった証拠を発見したと公表した」
●最後に冠詞を用いない、無冠詞の用法を紹介しましょう。区切りがはっきりせず、一般的な意味で用いられる場合は原則、無冠詞になります。9番ならばwater「水」という物質名詞が使われています。区切りがはっきりしない物質名詞ですから、冠詞が使われていません。また、区切りがはっきりしていても、固有名詞は特別な場合(4番で紹介しました。)以外は無冠詞です。

10. Jane(S) usually goes(V) /to school(M) /at eight(M) /every morning(M).「ジェーンはたいて毎朝8時に学校に行く」
●無冠詞のその他の用法として、『本来の目的』があげられます。10番がそれです。school「学校」の本来の目的は何でしょうか。もちろん、生徒が学ぶことです。この『本来の目的』の意味で用いられる場合は冠詞がつきません。しかし、
Jane’s mother(S) went(V) /to the school(M) /to see her teacher (M).「ジェーンの母親は、彼女の先生に会いに学校へ行った」
この例文では学校が「生徒が学ぶ」という本来の目的で使われていませんね。先生に会うために「学校(という建物)へ行った」という意味です。
この他にも、Richard is manager of our baseball team.「リチャードは私たちの野球チームの監督だ」のように『地位・役職など』などを現すときや、by bus「バスで」のように『交通手段』を表すときも無冠詞になります。

いかがでしたでしょうか。a/anとtheの使い分けは難しく思っている人が多いかもしれませんが、『特定』・『不特定』を感じられれば正しい使い方が見えてきますよ。それでは、また。

(E-文 826<第47回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 


2008年11月20日

E-文 826<第46回>

E-文826
〜第46回「不定代名詞の単と複」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今日で不定代名詞を終えます。今回は前回に続いて不定代名詞をいくつか紹介していきます。単数・複数に注意しながら読んでいって下さい。その際に大切なのは、ただ暗記するのではなく理解することです。
 
■不定代名詞の用法(その2)
1. All international students must take TOEFL.
「留学生は全員TOEFL(試験)を受けなければならない」
2. Please read all of the information below carefully.
「下記の情報を丁寧にお読み下さい」
3. He is able to use both hands equally well.
「彼は両利きだ」
4. Each computer has the following software installed.
「それぞれのコンピュータには次のソフトウェアがインストールされている」
5. People who share ideas learn from each other.
「考えを共有する人は、お互いから学ぶものだ」
6. We have a meeting every other Friday.
「隔週で金曜日に会議がある」
7. You can come on either day ? Saturday or Sunday.
「土曜日か、日曜日。どちらかに来てもいいよ」
8. I don’t know either of his parents.
「彼の両親をどちらも知らない」
9. Neither of the proposals is acceptable.
「案はどちらも受け入れられない」
 

それでは解説です。今日は不定代名詞の用法(その2)です。
1. All international students(S) must take(V) TOEFL(O).「留学生は全員TOEFL(試験)を受けなければならない」
●不定代名詞の特徴は『不特定さ』でしたね。「これ」と特定できないことです。前回one、other、anotherを取り上げました。今回はall、both、each、either、neitherを取り上げますね。
まず1番。不定代名詞allには2つの用法があります。1つは形容詞としての用法、もう1つは代名詞としての用法です。1番は前者、allが形容詞として機能しています。
1番のall international students「すべての留学生」というように一般的な意味で用いられる場合、all+[無冠詞複数名詞]の形になります。
しかし、例えばall the students in the class「そのクラスの生徒全員」というように、ある特定的なものの中で「すべての」と言う場合、all the+[複数名詞]という形を使います。

2. Please(M) read(V) [all of the information below](O) /carefully(M).「下記の情報を丁寧にお読み下さい」
●2番はallが代名詞として機能しています。all of the+[名詞]という形で用いられていますね。この[名詞]には、可算名詞も不可算名詞も置けます。2番はinformation「情報」という不可算名詞が用いられていますね。不可算名詞は勿論、複数形にはなりませんよ。

3. He(S) is able to use(V) both hands(O) /equally well(M).「彼は両利きだ」
●今度は不定代名詞bothです。これもall同様、代名詞と形容詞、2つの用法があります。3番は形容詞としての用法ですね。(both+[名詞]という形です。)ここで大切なのは、both「2つ(2人)」と述べることができるということは、その[名詞]は数えられるということです。可算名詞が置かれ、複数形になります。

4. Each computer(S) has(V) the following software(O) installed(C).「それぞれのコンピュータには次のソフトウェアがインストールされている」
●4番は不定代名詞eachが使われています。1〜2番同様、代名詞と形容詞の2つの用法があります。ここでも単数・複数に注目しましょう。4番の主語と動詞をみて下さい(Each computer(S) has(V) 〜)。まず主語はeach+[名詞]の形をとっていますが、この[名詞]は単数形です。さらに、all+[名詞]やboth+[名詞]は全体として複数扱いになっていましたが、4番の述語動詞がhasになっていることから分かる通り、each+[名詞]は全体として単数扱いです。「それぞれ」という意味ですからね。
ちなみに、eachが代名詞として機能した場合、4番は
Each of the computers(S) has(V) the following software(O) installed(C).
と、なります。(each of the+[名詞]という形で全体としては単数扱いですが、[名詞]は複数形です。複数ある[名詞]のうちの「それぞれ」ですからね。)

5. [People who share ideas](S) learn(V) /from each other(M).「考えを共有する人は、お互いから学ぶものだ」
●5番はeachを用いた構文ですね。each other「お互い」という形そのものはお馴染みの人が多いかもしれませんが、これが代名詞だということを見逃している人は多いはずです。「お互いのことを学ぶ」のではなく、「お互いから学ぶ」のであれば5番のように前置詞fromを用いてfrom each otherと書かねばなりません。

6. We(S) have(V) a meeting(O) /every other Friday(M).「隔週で金曜日に会議がある」
●今度はevery「どの〜も」です。everyは不定代名詞eachと混同されることが多いのですが、everyは形容詞です。ですから、every of 〜という書き方はできないんです。
さて、6番のevery other Fridayはきちんと翻訳できましたか。every yearは「年ごとに」つまり「毎年」、every four yearsは「4年ごとに」です。そして、every otherは「1つおき」を意味しますから、every other Fridayは「1週おきの金曜日」つまり「隔週で金曜日」ということになります。ちなみにevery second Fridayと言ってもいいですよ。(例えば6番なら、第1金曜日に会議があったら次の会議は第3金曜日ということです。)

7. You(S) can come(V) /on either day(M) ? Saturday or Sunday.「土曜日か、日曜日。どちらかに来てもいいよ」
●次は不定代名詞eitherです。このeitherも代名詞と形容詞としての機能があります。7番は形容詞としての用法ですね。eitherは「(2つ、2人のうち)どちらか」という意味があります。7番ならば、「土曜日と日曜日のどちらか」ということです。「どちらか」ですから、原則、全体として単数扱いになります。

8. I(S) don’t know(V) [either of his parents](O).「彼の両親をどちらも知らない」
●8番は不定代名詞eitherの代名詞としての用法。これ、見覚えがありますか。E-文第34回4番で登場した英文です。「彼の両親のどちらかを選んでも、その人を知らない」つまり、「どちらも知らない」という全体否定です。全体否定・部分否定の理解があやふやな人は、是非E-文第34回へ。
ところで、7番がeither+[名詞]の形で[名詞](day)が単数形だったのに対して、8番は[名詞](parents)が複数形であることに気づいたでしょうか。不定代名詞eachと同じケースです。7番は「どちらかの日」なのでday「日」は単数形ですが、8番は「(2人の)両親のうちどちらか」ですから、parents「両親」は複数形なんです。

9. [Neither of the proposals](S) is(V) acceptable(C).「案はどちらも受け入れられない」
●最後は不定代名詞neither(=not+either)を紹介します。このneitherも、代名詞・形容詞両方の機能を有しますよ。9番は代名詞として用いられていますね。(neither of the+[名詞]という形です。)eitherの場合同様、これも全体として単数扱いが原則です。
また、eitherと同じように、neither of the+[名詞]の形では[名詞]は複数形ですが、形容詞として用いると[名詞]は単数形になりますよ。(全体としてはやはり原則単数扱いですが。)
    Neither proposal(S) is(V) acceptable(C).

いかがでしたでしょうか。不定代名詞につく名詞は単数形か複数形か。全体としては単数扱いか複数扱いか。これらのことは意味を理解すれば間違えずにすみます。理解して覚えることを心がけ、知識を蓄えていきましょう。それでは、また。

(E-文 826<第46回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋


2008年11月19日

E-文 826<第45回>

E-文826
               〜第45回「特定しないということ」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今日は不定代名詞を扱います。不定代名詞の特徴は特定しないこと。「これ」などとは言わず「特定しないこと」。これが今日のテーマです。
  
■不定代名詞の用法
1. I got a watch from my brother, but I’ve lost it.
「兄に時計をもらったが、なくしてしまった」
2. My watch was ruined, and I need to buy a new one.
「時計が駄目になったので、新しいのを買わなければならない」
3. The population of Italy is about two fifths as large as that of Japan.
「イタリアの人口は日本の約5分の2だ」
4. We keep two dogs. One is a beagle and the other is a Yorkshire terrier.
「うちには犬が2匹いる。1匹はビーグルで、もう1匹はヨークシャーテリアだ」
5. Can I have another piece of cake, please?
「もう1つケーキを食べてもいいでしょうか」
6. We took a rest one after the other.
「私たちは交互に休息をとった」
7. Saying is one thing, and doing is another.
「言うは易し行うは難し」
8. Some of the students were late, and the others were in time for the train.
「生徒たちの何人かは遅れたが、他の生徒達は電車に間に合った」
  

それでは解説です。今回は不定代名詞の用法ですね。不定代名詞とは、不特定の人や物を表し、また一定でない数量を表す代名詞のことを言います。主な不定代名詞として、one、other、another、someを取り上げます。
1. I(S) got(V) a watch(O) /from my brother(M), but I’ve(I(S) have(Aux)) lost(V) it(O).「兄に時計をもらったが、なくしてしまった」
●まずは人称代名詞itと不定代名詞oneの違いを見てみましょう。1番は人称代名詞itを用いています。人称代名詞は、Iやshe、they、そしてitなど、話し手や相手、話題のなかの人・物事を表します。つまり、「これ」と特定できるということです。1番ならば、itは「兄からもらった時計」を表していますね。なくしたのは他のどの時計でもなく、その「兄からもらった時計」です。
また、「そのもの」を示しているので、人称代名詞itは前や後ろに修飾語を置いて説明することはできません。(red itやit of Tomなどは作れないということです。)

2. My watch(S) was ruined(V), and I(S) need to buy(V) a new one(O).「時計が駄目になったので、新しいのを買わなければならない」
●不定代名詞oneは先に書いた通り、『不特定』であることがポイントです。2番で不定代名詞oneの替わりに人称代名詞itを用いることはできません。その理由は次の2つです。まずnewという修飾語が前にあるというのが1つ。(1番で書いた人称代名詞itの特徴の1つです。)
次に、もしitを使ったら、「私が買う」のは、「駄目になった時計」ということになります。これでは意味が通りませんね。「私が買う」のは、「駄目になった時計と同じ種類の時計」であって、「駄目になった時計そのもの」ではありません。特定することはできないんです。

3. The population of Italy(S) is(V) about two fifths as large(C) /as that of Japan(M).「イタリアの人口は日本の約5分の2だ」
●今度は指示代名詞thatです。指示代名詞とはthis「これ」やthat「あれ」など、はっきり指し示す代名詞のことを言います。指示代名詞thatにも、不定代名詞のような『不特定さ』はありません。さらに、前の語句や内容を指すとき、itを使った方がより一般的な表現になります。逆に具体的なことについて述べるのならば、指示代名詞thatの方が適切です。
また、thatは修飾語を前に置くことはできませんが、後ろに置くことならできる、という特徴もあります。3番ならば、that of Japanと後ろに修飾語を置いていますね。ちなみにthatはpopulationを示していますよ。
(この3番の英文、覚えていますか。E-文第26回3番の英文ですよ。)

4. We(S) keep(V) two dogs(O). One(S) is(V) a beagle(C) and the other(S) is(V) a Yorkshire terrier(C).「うちには犬が2匹いる。1匹はビーグルで、もう1匹はヨークシャーテリアだ」
●今度は不定代名詞otherです。4番では、2匹いる犬のうち、どちらか1匹をまずoneという『不特定』の形で表しています。しかし、残り1匹ならば特定できますから、the otherというように『特定』の意味をもたせる定冠詞theを使って表現しています。
もし全体が2つではなく3つのうち、1つを『不特定』のoneで表し、「残り全部」を表現したい場合はthe othersと書きますよ。

5. Can(Aux) I(S) have(V) [another piece of cake](O), please(M)?「もう1つケーキを食べてもいいでしょうか」
●5番は不定代名詞anotherを用いています。anotherはan+otherという形であることから分かるかもしれませんが、「もう1つの別の人・もの」という意味をもちます。5番ならば、ケーキを1つ食べて、「もう1つ」と言っていますが、「この1つのケーキ」とは言っていないんですね。『不特定』です。
また、このoneとanotherを用いて4番の犬の例文を表現してみると、例えば次のようになります。
We(S) keep(V) three dogs(O). One(S) is(V) a beagle(C),another(S) is(V) a Yorkshire terrier(C), and the other(S) is(V) a Shiba(C).「うちには犬が3匹いる。1匹はビーグルで、もう1匹はヨークシャーテリア、そして残り1匹が柴犬だ」
分かりましたか?3匹のうちある不特定の1匹(one)を取り出し、残った2匹のうち、また不特定の1匹(another)を取り出す。すると、残った1匹は特定できますからthe otherを使っている、というカラクリですよ。

6. We(S) took(V) a rest(O) /one after the other(M).「私たちは交互に休息をとった」
●6番はoneとthe otherを用いた慣用構文です。2つのうち、ある不特定のものと、残り1つが前後にあるということは、この2つが「交互に」ということですね。
もしこれが、one after anotherだったらどのような意味になるでしょうか。ある不特定のものと、もう1つの別のものが前後にきているんです。(残りの1つではないですよ。)つまり、3つ以上が「次々に」ということです。
まとめておきますね。one after the other「(2人、2つが)交互に、順番に」、one after another「(3人、3つ以上が)次々に」ですよ。
他にも、(On one hand SV.) On the other hand S’V’.「(一方でSV)他方でS’V’」などといった構文もあります。

7. Saying(S) is(V) one thing(C), and doing(S) is(V) another(C).「言うは易し行うは難し」
●今度はoneとanotherを用いた慣用構文を紹介しましょう。A is one thing, B is another.「AとBは別物である」という構文が7番では使われています。ちなみに7番は諺ですね。
他に、from one A to another「様々なAで」という構文もあります。

8. Some of the students(S) were(V) late(C), and the others(S) were(V) /in time(M) /for the train(M).「生徒たちの何人かは遅れたが、他の生徒達は電車に間に合った」
●最後は不定代名詞someです。oneは『不特定』の単数を表しました。そして、someは「いくつか」という日本語訳から分かるように、『不特定』の複数を表します。多数いる生徒のうち、「何人か」という不特定の生徒たちが遅れたんですね。そして、間に合った「残りの生徒たち」(つまり、特定できますね。)はthe othersで表されています。(8番を具体的に言えば、例えば100人の生徒のうち、10人(some)は遅れ、90人(the others)は間に合ったということです。)
もしも、8番でthe othersではなくothersが使われていたら、
Some of the students(S) were(V) late(C), and others(S) were(V) /in time(M) /for the train(M).「遅れた生徒もいれば電車に間に合った生徒もいた」
このような意味に変わります。(例えば100人の生徒のうち、10人(some)は遅れ、80人(others)は間に合ったということです。この80人は「残り全員」ではないですね。『特定』を表すtheが使われていないから、こんな意味になるんです。)
 
いかがでしたでしょうか。この不定代名詞、次回も取り上げますから、今日取り上げたものは確実に消化しておいて下さいね。それでは、また。

(E-文 826<第45回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 
 

2008年11月18日

E-文 826<第44回>

E-文826
               〜第44回「様々な名詞の用法」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今回は注意すべき名詞の用法と題し、二重所有格や再起用法といった、普段みる名詞の用法とは異なったものを紹介していきますね。
 
■注意すべき名詞の用法
1. I went to downtown with some friends of mine last weekend.
「先週末の何人かの友達と繁華街に行った」
2. Do you know where a painting of my grandfather’s is?
「祖父が所有する絵がどこにあるか知りませんか」
3. I have lost a painting of my grandfather.
「祖父を描いた絵をなくしてしまった」
4. Surprisingly, a painting by my grandfather was sold for three thousand dollars.
「驚いたことに、祖父が描いた絵は3千ドルで売れた」
5. Getting enough sleep is of great importance.
「十分に睡眠をとることはとても重要だ」
6. This type of information is of no use to me.
「この種の情報は私には役に立たない」
7. He solved the problem with ease.
「彼はその問題を簡単に解いた」
8. He always looks at himself in the mirror.
「彼はいつも鏡に映った自分を見ている」
9. Did you enjoy yourself at the welcome party?
「歓迎会は楽しかったですか」
10. I must do the work myself.
「私がその仕事をせねばならない」
11. I often cook for myself to save money.
「節約のため、よく自炊している」
12. Help yourself to anything in the fridge.
「冷蔵庫のものは何でも遠慮なく食べて下さい」
 

それでは解説です。今回は注意すべき名詞の用法ですね(1〜12番)。
1. I(S) went(V) /to downtown(M) /with some friends of mine(M) /last weekend(M).「先週末の何人かの友達と繁華街に行った」
●「私の何人かの友達」をmy some friendsと言うことはできません。所有格は冠詞・指示代名詞(thisやthatなど)・不定代名詞(someやanyなど)と並べて使うことができません。代わりに、1番のようにsome friends of mineという形をとります。これが二重所有格と呼ばれる形です。
◇ 
2. Do(Aux) you(S) know(V) [where a painting of my grandfather’s is](O)?「祖父が所有する絵がどこにあるか知りませんか」
●2〜4番を比べて下さい。それぞれの二重所有格がもつ意味が異なっています。まずは2番。これは1番と同じ形ですね。「祖父の絵」ですが、「祖父が所有している絵」ということです。

3. I(S) have lost(V) [a painting of my grandfather](O).「祖父を描いた絵をなくしてしまった」
●3番も「祖父の絵」ですが、「祖父を描いた絵」という意味を表します。3番のように、動詞(paint)を名詞化(painting)したものを用いた二重所有格の場合、この意味をもつことができます。
◇ 
4. Surprisingly(M), [a painting by my grandfather](S) was sold(V) /for three thousand dollars(M).「驚いたことに、祖父が描いた絵は3千ドルで売れた」
●4番の「祖父の絵」は、「祖父によって描かれた絵」ということです。このように、用いる前置詞、そして前置詞の後ろの名詞の形によって、二重所有格が表す意味は異なります。

5. [Getting enough sleep](S) is(V) of great importance(C).「十分に睡眠をとることはとても重要だ」
●ofに抽象名詞を結びつけることによって、形容詞の働きをさせているのが5番です。of importance=important「重要な」ということです。5番では、of great importanceというように、importanceが強調されていますから、of great importance=very important「とても重要な」という意味を表します。

6. [This type of information](S) is(V) of no use(C) /to me(M).「この種の情報は私には役に立たない」
●of+[抽象名詞]は、なにもプラスに強調できるだけではありません。of use=useful「役に立つ」に否定語noをつけています。つまり、of no use=useless「役に立たない」という表現になっているんですね。

7. He(S) solved(V) the problem(O) /with ease(M).「彼はその問題を簡単に解いた」
●of+[抽象名詞]をもう少し広げてみましょう。前置詞ofの代わりにwithやin、onをとるものもあります。例えば7番。with easeというように、with+[抽象名詞]の形になっています。このとき、with ease=easily「簡単に」という意味を表し、副詞の働きをします。
この他、with care=carefully「注意深く」、in danger=dangerous/dangerously「危険な(形容詞)、危うく(副詞)」、on purpose=purposely「わざと(副詞)」などといった表現があります。
◇ 
8. He(S) always looks at(V) himself(O) /in the mirror(M).「彼はいつも鏡に映った自分を見ている」
●最後に再起用法と呼ばれるものを紹介して終わりましょう。再起用法とは、-selfや-selvesの形の用法で、主語のする動作が自分自身に向けられることを表します。全部で4つのパターンに分けられるので、ひとつずつ紹介していきましょう。
まずは、8番、主語と目的語が一致するケースです。8番はlook at A「Aを見る」を句動詞とみて、himselfを目的語ととらえています。このhimselfという目的語が主語と一致している、ということです。もしもこの英文でhimselfがheだったら、「彼はいつも鏡に映った(別の)彼を見ている」という意味になってしまいます。

9. Did(Aux) you(S) enjoy yourself(V) /at the welcome party(M)?「歓迎会は楽しかったですか」
●次に、他動詞と-oneselfがくっつき、自動詞化するものもあります。9番がそれです。enjoy oneselfで「楽しむ」と覚えておきましょう。他に、seat oneself「座る」やcontent oneself「満足する」などがあります。

10. I(S) must do(V) the work(O) /myself(M).「私がその仕事をせねばならない」
●今度は-oneselfが名詞を強調するパターンです。myselfがIを強調しています。「他の誰でもなく、『私が』せねばならない」と言っています。

11. I(S) often cook(V) /for myself(M) /to save money(M).「節約のため、よく自炊している」
●11番は慣用的な表現です。for oneselfで「(自分のためになるように)ひとりで」という意味になります。by oneself「(寂しく)ひとりで」と意味が混同されがちですから、気をつけて下さい。他に、to oneself「独り占めして」やin oneself「それ自体で」という慣用表現もあります。

12. Help(V) yourself(O) /to anything in the fridge(M).「冷蔵庫のものは何でも遠慮なく食べて下さい」
●最後も慣用的な構文を紹介して終わりましょう。help oneself to A「Aを自由に取って食べる」という構文です。Help yourself.「どうぞご自由にお食べください」だけ覚えている人もいるかもしれませんが、help oneself to Aまでセットで覚えましょう。他に、be beside oneself with A「Aに我を忘れて」という構文もあります。

いかがでしたでしょうか。今回紹介した名詞の用法には、見慣れないものが含まれていたかもしれませんね。焦ることなく、ひとつひとつ確実に覚えていきましょう。それでは、また。
    
(E-文 826<第44回>おわり。)文責;Mr. O
   
  
From 西宮校の部屋
  

2008年11月17日

E-文 826<第43回>

E-文826
               〜第43回「単数・複数」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今回は名詞特有の形、単数形・複数形にスポットを当てます。そして、その観点から3タイプの名詞に分類します。単複同形、常に複数形、そして単複で意味が異なるものです。
 
■名詞の数
1. He won five thousand yen in the lottery.
「彼女は宝くじで5千円当てた」
2. Thousands of people assembled in the stadium.
「スタジアムに数千もの人が集まった」
3. I bought five pairs of socks for 10 dollars.
「靴下5足を10ドルで買った」
4. He speaks to me in a friendly manner.
「彼は私に友好的に話してくれる」
5. How do you teach table manners?
「テーブルマナーをどうやって教えますか」

◇ 
それでは解説です。今日は名詞の数について勉強しましょう(1〜5番)。
1. He(S) won(V) five thousand yen(O) /in the lottery(M).「彼女は宝くじで5千円当てた」
●まずは単複同形の名詞を紹介します。単複同形ということは、単数形も複数形も同じ形なんですね。yen「円」がそれにあたります。(ちなみにdollar「ドル」は複数のsがつきますよ。)
このような単複同形のみの名詞は、他にsheep「羊」、offspring「子孫」、percent「パーセント」、Japanese「日本人」などがあります。(American「アメリカ人」は複数のsがつきますよ。)
◇ 
2. Thousands of people(S) assembled(V) /in the stadium(M).「スタジアムに数千もの人が集まった」
●1番のthousandが、five thousandという風に複数のsがついていないことに気づいたでしょうか。このthousandは、単純に「千」を表す場合は単複同形になります。1番のfive thousand「5千」がそうです。それに対して、2番のようにthousands of+[名詞]「数千の[名詞]」という形のときは複数のsがつきます。hundred「百」なども同様です。
◇ 
3. I(S) bought(V) [five pairs of socks](O) /for 10 dollars(M).「靴下5足を10ドルで買った」
●3番のsocks「靴下」は常に複数形をとる名詞です。(ただし、片方だけをさす場合は単数形になります。)靴下は対になった2つの部分からなっていますね。このような衣類や器具は複数形で使います。例としては、gloves「手袋」、trousers「ズボン」、scissors「はさみ」、compasses「(製図用)コンパス」などがあります。
また、これらは数えるときは3番のようにa pair of+[名詞]の形を用います。
◇ 
4. He(S) speaks(V) /to me(M) /in a friendly manner(M).「彼は私に友好的に話してくれる」
●今度は単数形と複数形で意味の異なる名詞です。4番と5番を、mannerという単語に注目しながら比べて下さい。4番で使われているmannerは単数形で、「方法」という意味を表します。

5. How(M) do(Aux) you(S) teach(V) table manners(O)?「テーブルマナーをどうやって教えますか」
●5番は複数形のmannersが使われていますが、意味は4番のmannerとは異なっていますね。「行儀・作法」を意味します。カタカタで「テーブルマナー」と言いますが、それに惑わされないようにしましょう。「マナー」の意味を表すのは複数形mannersです。
このように、単数形と複数形で意味が異なる名詞は他に、time「時間」・times「時代」、good「善、利益」・goods「商品」、work「仕事」・works「作品」などがあります。
 
いかがでしたでしょうか。名詞の単数・複数形を間違えることは、単に文法的におかしいだけでなく、異なった意味になってしまうこともあります。正しく覚え、正しく使いましょう。それでは、また。
  
(E-文 826<第43回>おわり。)文責;Mr. O
  
 
From 西宮校の部屋
  

2008年11月16日

E-文 826<第42回>

E-文826
               〜第42回「区切りや形」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今日から新しい単元、名詞に移ります。まずはいろいろな名詞の種類について勉強していきましょう。その種類を見分けるひとつの指標は、区切りや形があるかどうかです。
 
■普通名詞
1. We have a dog and two cats.「犬を1匹と猫を2匹飼っている」
2. He didn’t know that bats are mammals.「彼はコウモリが哺乳類であることを知らなかった」
3. The pen is mightier than the sword.「ペンは剣よりも強し」
■固有名詞
4. “Kenshinkan” is definitely the best preparatory school.「研伸館が間違いなく最高の予備校だ」
■物質名詞
5. Light travels 300000 kilometers in a second.「光は秒速30万kmで進む」
6. Can I have two scoops of vanilla ice cream in a cone, please?「コーンにバニラアイスをふた盛り下さい」
■抽象名詞
7. There is a possibility that someone is leaking information.「誰かが情報を漏らしている可能性がある」
■集合名詞
8. My family consists of four.「うちは4人家族だ」
9. My family are all very well.「うちの家族はみんなとても元気だ」
10. I don’t know what the police are doing in this area.「警察がこの区域で何をしているのか分からない」
11. There are many peoples in Asia.「アジアには多くの民族がいる」
12. She has many pieces of furniture.「彼女は家具をたくさん持っている」
 

それでは解説です。名詞は意味上、普通名詞、固有名詞、物質名詞、抽象名詞、そして集合名詞に分けられます。今日はこの後者の観点から名詞を分類していきます。

まずは普通名詞(1〜3番)。
1. We(S) have(V) [a dog and two cats](O).「犬を1匹と猫を2匹飼っている」
●普通名詞とは、一定の区切りや形を持つ名詞のことです。(つまり、数えられる名詞(可算名詞)だということですね。)例えばbook「本」、house「家」、そしてdog「犬」やcat「猫」などが普通名詞です。どれもクッキリとした区切りや形がありますね。普通名詞はその数を表したいときは、その名詞の直前に数字を置きます。

2. He(S) didn’t know(V) [that bats are mammals](O).「彼はコウモリが哺乳類であることを知らなかった」
●2番では普通名詞bat「コウモリ」が使われています。ところで、この普通名詞の複数形を無冠詞(aやtheなどをつけない)で用いると、「〜というもの」というように、一般的な総称を示すようになります。2番ならば、ある特定のコウモリについて述べているのではなく、「コウモリというものは…」という総称を述べているんですね。A bat is a mammal.やThe bat is a mammal.も文としては正しいですが、学術的な表現になり、Bats are mammals.の方が一般的です。

3. The pen(S) is mightier(V) /than the sword(M).「ペンは剣よりも強し」
●3番は普通名詞pen「ペン」です。しかし、the+単数普通名詞という形で、抽象的な概念を表すことがあります。3番ならば、特定のペンを述べているわけでも、「ペンというもの」を述べているわけでもありません。これは「思想や言論が人に与える影響」をthe penで表す、文語的な表現です。

4番は固有名詞です。
4. “Kenshinkan”(S) is(V) /definitely(M)/ the best preparatory school(C).「研伸館が間違いなく最高の予備校だ」
●固有名詞とは、特定の人または物の名前のことを指し、通例数えません。例えばthe Sea of Japan「日本海」、the Titanic「タイタニック号」、そして4番のKenshinkan「研伸館」などです。
また、the Alps「アルプス山脈」、the Philippines「フィリピン」などのように、山脈や群島はthe+複数形という形になります。
◇ 
次は物質名詞(5〜6番)。
5. Light(S) travels(V) 300000 kilometers(O) /in a second(M).「光は秒速30万kmで進む」
●物質名詞とは、その名の通り物質を現し、通例数えません。例えばwater「水」、paper「紙」そしてbread「パン」も物質名詞です。5番ならば、light「光」という物質名詞が使われていますね。どれも普通名詞のような「一定の区切りや形がない」ことが特徴です。
◇ 
6. Can(Aux) I(S) have(V) [two scoops of vanilla ice cream in a cone](O), /please(M)?「コーンにバニラアイスをふた盛り下さい」
●物質名詞は、一定の形や区切りがないので、通例数えません。しかし、それぞれの名詞の単位となる表現を使い、量を示すことならばできます。(例えばa cup of coffee「1杯のコーヒー」がそれです。)6番ならば、scoop「ひと盛り」という単位を使っています。アイスクリームは数えられませんが、「ひと盛り」という単位を使えばアイスクリームの量は表現できますね。
他にも、a sheet of paper「紙1枚」、a piece of paper「紙切れ1枚」、a slice of bread「パン1枚」、a loaf of bread「パン1斤」、a glass of milk「牛乳1杯」、a pair of glasses「眼鏡1つ」、two pounds of butter「バター2ポンド」などが例に挙げられます。眼鏡はレンズが2つあって「眼鏡」ですから、a pair ofという単位を使います。
◇ 
今度は抽象名詞です(7番)。
7. There(M) is(V) [a possibility that someone is leaking information](S).「誰かが情報を漏らしている可能性がある」
●抽象名詞は具体的な形を持たない、抽象概念を表します。形を持たないということは、通例数えられません。そして、動詞・形容詞が名詞化したものが多いのも特徴です。7番のinformation「情報」ならば、inform「知らせる」が名詞化したんですね。主な抽象名詞は他に、advice「忠告」、work「仕事」、fun「楽しみ」、wisdom「知恵」などが例に挙げられます。
 
◇最後に集合名詞を紹介しましょう(8〜12番)。
8. My family(S) consists(V) /of four(M).「うちは4人家族だ」
9. My family(S) are(V) all very well(C).「うちの家族はみんなとても元気だ」
●集合名詞とは、いくつかの同種類のものの集合体を表します。この集合名詞、いくつかのタイプに分けられます。まず1つめ。1集団か、個々の集団かという見方の違いによって、単数扱いなのか複数扱いなのかが使い分けられるものです。
8番と9番をセットで見て下さい。family「家族」が集合名詞です。8番は、1家族というまとまりで見ています。「うちの家族」というまとまりは、4人で構成されているということです。まとまりで見ているということは、単数扱いになります。
それに対して、9番はまとまりではなく、家族を構成する個々のもの(父や母など、それぞれということです)を考えています。「(家族を)構成するもの全員」という見方をしているということは、この9番のfamilyは複数扱いになる、ということです。
このようなに単数・複数両方の扱いをする集合名詞はfamily「家族」の他に、audience「聴衆」、team「チーム」やstaff「職員」などがあります。
◇ 
10. I(S) don’t know(V) [what the police are doing in this area](O).「警察がこの区域で何をしているのか分からない」
●9番とは異なり、今度は常に複数扱いの集合名詞を紹介しましょう。police「(警官の集合体としての)警察」がそれにあたります。常に複数扱いですから、複数形はとりませんし、a/anもつきません。このようなタイプの集合名詞は他に、cattle「牛」やclergy「聖職者」などがあります。
ちなみに「警官の集合体」ではなく、1人の警官を表したい場合は、police officer「警察官」を用います。

11. There(M) are(V) [many peoples in Asia](S).「アジアには多くの民族がいる」
●11番のpeopleも基本的に複数扱いです。しかし、それは「人々」という意味のときに限ります。peopleには「国民・民族」という意味もあり、このとき、11番のように複数形peoplesが存在します。
このように注意すべき集合名詞の例を他に挙げておきましょう。Fruitは「果物」としての意味ならば数えられない名詞(不加算名詞)として扱い、「果物の種類」を意味するならば数えられる名詞(加算名詞)として扱います。また同様に、fishは「魚肉」としての意味なら不加算名詞、「種類」を表すならば加算名詞として扱われます。
(※ちなみに、person「(個人としての)人」の複数形がpeople「(1人1人を区別しない)人々」ですが、persons「(1人1人の集合としての)人々」という使われ方も存在します。ただし、これは法律などの公式文書での使われ方です。)

12. She(S) has(V) [many pieces of furniture](O).「彼女は家具をたくさん持っている」
●最後のケースは、集合的にひとまとまりと考え、複数形にしない集合名詞です。12番ならば、furniture「家具」が使われていますが、table「テーブル」やchair「椅子」といった個々のものではなく、「家具一式」という集合を現しています。このように、集合的に「一式」を表す名詞は他に、baggageやluggage「手荷物類」(baggageは米英語、luggageは英英語)、clothing「衣類」、machinery「機械類」などがあります。
また、あくまで「一式」なので、「家具が何点あるのか」を表現する場合は、four pieces of furniture「家具4点」と書きます。
 
いかがでしたでしょうか。単に名詞といっても多用な種類が存在します。この違いを意識しながら名詞を勉強していきましょう。それでは、また。
 
(E-文 826<第42回>おわり。)文責;


From 西宮校の部屋
 

2008年11月15日

E-文 826<第41回>

E-文826
               〜第41回「複雑になっても基本に忠実」〜

こんにちは、Mr. Oです。話法は今回で終わり。ですから、最後は引用符内が複雑になっています。2つ以上の節を含む文や、異なる種類の文を転換していきます。そのような複雑なケースでも、これまでに学んだ基本ルールに基づいて作っていきましょう。
 
■重文の場合の転換
1. John said that the red bag was hers, and that the blue one was his.
「ジョンは赤い鞄が彼女ので、青いのが自分のだと言った」
2. She said that she was sick in bed, but that she was getting better.
「彼女は病気で寝込んでいるが、よくなってきていると言った」
3. I told him that he could use my computer if he wanted to.
「使いたければ私のコンピュータを使ってもよいと彼に言った」
種類の異なる文の転換
4. My boss asked me where Jenny was, and said that he wanted her to do something.
「上司はジェニーはどこにいるだろう、彼女に頼みたいことがあるんだと私に言った」
5. I told my daughter to get up right away, and said that she had to go morning training.
「すぐ起きなさい、早朝練習に行かないといけないんでしょうと娘に言った」
6. She told him to watch his step, or he would slip and fall.
「彼女は足元に気をつけないと滑って転ぶよと彼に言った」
7. She said how strong he was, and that he was like superman.
「彼女は彼はなんて強いんだ、まるでスーパーマンのようだと言った」
 

それでは解説です。まずは重文の場合の転換から(1〜3番)。
重文とは、2つ以上の節が等位接続詞(and、but、or、for)によって結ばれた文のことです。実際に英文を見ていきましょう。ちなみに、今回もまた、[1]、[3]の奇数番号は直接話法、[2]、[4]の偶数番号は間接話法です。
1. John(S) said(V) [that the red bag was hers](O), and [that the blue one was his](O).「ジョンは赤い鞄が彼女ので、青いのが自分のだと言った」

    [1] John(S) said(V) ,”The red bag is hers, and the blue one is his.”(O)
    [2] John(S) said(V) [that the red bag was hers](O), and [that the blue one was his](O).
[1]の引用符内を見て下さい。The red bag is hersという節と、the blue one is hisという節がandという等位接続詞で結ばれていますね。これが重文です。これを間接話法に書き換えるにはどうすればいいのでしょうか。まず前半部the red bag is hersをこれまで学んだ通りの手順で間接話法に書き換えます。そして、等位接続詞andを置き、その直後に必ずthatを置きます。必ずです。そのthatの後ろは、再びこれまで通りの手順で書き換えて下さい。(これまで通りということは、時制の一致や人称代名詞、指示代名詞、そして副詞に気を配るということですよ。)

2. She(S) said(V) [that she was sick in bed](O), but [that she was getting better](O).「彼女は病気で寝込んでいるが、よくなってきていると言った」

    [3] She(S) said(V) ,”I am sick in bed, but I am getting better.”(O)
    [4] She(S) said(V) [that she was sick in bed](O), but [that she was getting better](O).
今度は等位接続詞butで2つの節を繋げた重文です。書き換えの仕方は1番と同じです。やはり、butの直後にthatを忘れないようにして下さい。なぜでしょうか。このthatがなかったら、異なった意味にとることができるからです。本来は「病気で寝込んでいるが、よくなってきている」と彼女が言っています。しかし、butの直後のthatがなかったら、「『病気で寝込んでいる』と彼女は言ったが、よくなってきていた」と訳すことができてしまうんです。これでは、「伝えられる内容」が変わってしまっています。それを防ぐため、等位接続詞の後ろに必ずthatを置いて下さい。

3. I(S) told(V) him(O1) [that he could use my computer if he wanted to](O2).「使いたければ私のコンピュータを使ってもよいと彼に言った」
●3番は重文ではありません。ifという従位接続詞を用いた複文と呼ばれる文です。重文(1〜2番)と複文(3番)、比べてみましょう。
    [5] I(S) said(V) /to him(M)/ ,”You can use my computer if you want to.”(O)
    [6] I(S) told(V) him(O1) [that he could use my computer if he wanted to](O2).
前半部は重文の場合と同じです。そして、接続詞ifで節を繋ぐことも同じです。しかし、従位接続詞ifの直後にthatが置かれていませんね。というのも、重文は接続詞で結ばれた2つの節が対等の関係にあります。それゆえ、それぞれの節の前にthatを置いています。しかし、複文の場合、2つ以上ある節のうち1つが意味上主要な節であり、残りはそれを修飾する形になっているんです。対等な関係ではないんですね。ですから、主要な節(主節)の前にだけthatを置き、それ以外の従属する節(従属節)の前にはthatを置かないという訳です。
◇ 
今度は種類の異なる文の転換です(4〜7番)です。
4. My boss(S) asked(V) me(O1) [where Jenny was](O2), and said(V) [that he wanted her to do something](O).「上司はジェニーはどこにいるだろう、彼女に頼みたいことがあるんだと私に言った」

    [7] My boss(S) said(V) /to me(M)/ ,”Where is Jenny? I want her to do something.”(O)
    [8] My boss(S) asked(V) me(O1) [where Jenny was](O2), and said(V) [that he wanted her to do something](O).
[7]の引用符内、見て下さい。種類の異なる2文が含まれていますね。(疑問文と平叙文です。)これを間接話法に書き換えるための手順、基本はこれまでと同じです。まず前半部(疑問文まで)を間接話法に書き換えます。疑問詞を用いた疑問文ですから、伝達動詞askを使い、疑問詞whereで始まる名詞節を直接目的語にとればいいんですね。
次に等位接続詞andを置き、その直後に再び伝達動詞を置きます。もちろん置くべき伝達動詞は、「伝えられる内容」の文の種類によって変えて下さい。4番ならば、平叙文ですから伝達動詞sayを使っていますよ。

5. I(S) told(V) my daughter(O) [to get up right away](C), and said(V) [that she had to go morning training](O).「すぐ起きなさい、朝練に行かないといけないんでしょうと娘に言った」

    [9] I(S) said(V) /to my daughter(M)/ ,”Get up right away. You have to go morning training.”(O)
    [10] I(S) told(V) my daughter(O) [to get up right away](C), and said(V) [that she had to go morning training](O).
今度は命令文と平叙文が引用符内にあります。しかし、辿るべき手順は4番と同じですよ。命令文を間接話法で書き換えるときは、tell A to V’「AにV’するよう言う」を使うんでしたね。あとはandで結び、後半は平叙文なので伝達動詞sayを用いるだけです。

6. She(S) told(V) him(O(O1)) [to watch his step](C), or [he would slip and fall](O2).「彼女は足元に気をつけないと滑って転ぶよと彼に言った」

    [11] She(S) said(V) /to him(M) ,”Watch your step, or you will slip and fall.”(O)
    [12] She(S) told(V) him(O(O1)) [to watch his step](C), or [he would slip and fall](O2).
6番は命令文+and/or+平叙文というパターンです。5番は命令文と平叙文が独立していましたが、6番は違います。「〜しなさい。そうすれば(さもないと)…」という様に繋がっていると考えて下さい。だから、接続詞orの直後にthatがないんです。前半部は、これまで学んだ通り命令文として転換して下さいね。
◇ 
7. She(S) said(V) [how strong he was](O), and [that he was like superman](O).「彼女は彼はなんて強いんだ、まるでスーパーマンのようだと言った」

    [13] She(S) said(V), “How strong he is! He is like superman.”(O)
    [14] She(S) said(V) [how strong he was](O), and [that he was like superman](O).
最後は感嘆文と平叙文の場合です。前半部を感嘆文として転換し、andの後ろにthatを置き、後半部は平叙文として転換する。しかし、7番のように感嘆文+平叙文を間接話法に転換する場合は、伝達動詞は共通して用いられます。ですから、[14]のように伝達動詞sayを使っています。また、andとthatの間に伝達動詞を置いていません。
 
いかがでしたでしょうか。重文や、種類の異なる文を変換する場合も、これまで学んだ書き換えの基本をもとに作っていって下さい。もちろん、直接→間接だけでなく、間接→直接の書き換えも練習していって下さいね。次回からは新しい単元、名詞・代名詞・冠詞に移ります。それでは、また。
 
(E-文 826<第41回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 


2008年11月14日

E-文 826<第40回>

E-文826
               〜第40回「伝達者の立場」〜
 
 こんにちは、Mr. Oです。今回も引き続き話法の転換のお話です。今日は、伝達動詞、時制の一致だけでなく、人称代名詞、指示語、そして副詞にも注目して直接⇔間接の書き換えを考えてみましょう。
 
■人称・指示語・副詞の転換の視点
1. She told me that she had been sick in bed.
「彼女は病気で寝込んでいたと私に言った」
2. Tom asked Mary if she wanted to come to his party.
「トムはメアリーに彼のパーティに来ないかと言った」
3. He said that he could carry that package by himself.
「彼はその荷物を一人で運べると言った」
4. My daughter said that this was hers.
「娘はこれは自分のだと言った」
5. I told him that I wanted him to be at home that day.
「私は彼にその日家にいてほしいと言った」
6. Last year, she said that she would take exercise everyday this year.
「今年は毎日運動するつもりだと去年彼女は言った」
 

それでは解説です。今日は人称・指示語・副詞の転換の視点です(1〜6番)。ちなみに、今回も[1]、[3]の奇数番号は直接話法、[2]、[4]の偶数番号は間接話法です。
1. She(S) told(V) me(O1) [that she had been sick in bed](O2).「彼女は病気で寝込んでいたと私に言った」

        [1] She(S) said(V) /to me(M)/ ,”I was sick in bed.”(O)
        [2] She(S) told(V) me(O1) [that she had been sick in bed](O2).
前回までに少し登場し、説明しましたが、話法の書き換えにおいて、立場を考えることが大切です。
[1]直接話法では彼女(発言者)が私(聞き手)にコトバをそのまま伝えています。(引用符を使っていますからね。)つまり、引用符内のIは発言者である彼女だということです。
それに対して、[2]間接話法では、私(伝達者)が「伝えられる内容」を私のコトバで伝えています。つまり、[2]でI was sick in bedと言うと、Iは伝達者である「私」を示すことになってしまいます。[1]で説明した通り、これは彼女を示さねばなりませんから、私(伝達者)の立場から考えるとこのIはsheにならねばならないんです。
ちなみに、主節の動詞(tell)が過去形ですから、時制の一致が置きていますよ。名詞節内の動詞(be)の時制が過去完了形になっています。
◇ 
2. Tom(S) asked(V) Mary(O1) [if she wanted to come to his party](O2).「トムはメアリーに彼のパーティに来ないかと言った」

[3] Tom(S) said(V) /to Mary(M) ,”Do you want to come to my party?”(O)
[4] Tom(S) asked(V) Mary(O1) [if she wanted to come to his party](O2).
今度はトムとメアリーの会話です。トムが発言者、メアリーが聞き手ですよ。[3]直接話法でトムがメアリーにyouと言ったのですから、このyouはメアリーのことですね。だから、[4]間接話法ではsheに変わっています。また、[3]で発言者であるトムがmyと言ったのですから、このmyはもちろんトムのことです。[4]でhisが用いられています。
このように、直接⇔間接の書き換えをする際は、『誰が誰に伝えているのか』を考えて人称代名詞を正確に選んで下さい。
◇ 
3. He(S) said(V) [that he could carry that package by himself](O).「彼はその荷物を一人で運べると言った」

        [5] He(S) said(V) ,”I can carry this package by myself.”(O)
        [6] He(S) said(V) [that he could carry that package by himself](O).
人称代名詞だけでなく、指示代名詞も考慮せねばなりません。原則として、直接話法のthis(these)は、間接話法ではthat(those)になります。
ちなみに人称代名詞は問題なく理解できましたか。[5]のI及びmyselfが[6]のhe及びhimselfにそれぞれ変わっていますよ。

4. My daughter(S) said(V) [that this was hers](O).「娘はこれは自分のだと言った」

    [7] My daughter(S) said(V) ,”This is mine.”(O)
    [8] My daughter(S) said(V) [that this was hers](O).
1〜2番で学んだように人称代名詞mineをhersに変え、3番で学んだように指示代名詞thisをthatに…なっていませんね。なぜでしょうか。
[7]直接話法で、私の娘(発言者)がthis「これ」と言っています。もし[8]間接話法で、私(伝達者)が「娘の言うthis」を単純に思い返して伝達しているのならば、that「あれ」と言えます。(このように思い返して伝達していた例が3番です。)
しかし、間接話法で私(伝達者)が伝達しているとき、そのthisが目の前にあるのならば、やはりthis「これ」と言うのが適切ですよね。
このように、機械的にthisをthatにするのではなく、伝達者の立場や状況を把握して書き換えて下さいね。

5. I(S) told(V) him(O1) [that I wanted him to be at home that day](O2).「私は彼にその日家にいてほしいと言った」

        [9] I(S) said(V) /to him(M)/ ,”I want you to be at home today.”(O)
        [10] I(S) told(V) him(O1) [that I wanted him to be at home that day](O2).
最後は副詞に注目しましょう。副詞もまた、直接⇔間接の書き換えをしたとき、変えねばなりません。詳しくは下の表を見て下さい。原則的にはこの表のように変えます。5番はまさにその例ですね。[9]直接話法でtodayと言っていたのを[10]間接話法でthat dayと言っています。これはもちろん、[10]が「今日」言ったのではないからですよ。
4番同様、私(伝達者)が「今日」言ったのならば、5番のthat dayはtodayのままです。やはり伝達者の立場や状況を考えねばならないんです。
 

直接話法間接話法
nowthenそのとき
today今日that dayその日
yesterday昨日the day before
the previous day
前日
tomorrow明日(the) next day
the following day
翌日
next week来週the next week
the following week
翌週
last night昨晩the night before
the previous night
前夜
last year昨年the year before
the previous year
前年
〜 ago(今から)〜前〜 before(そのときから)〜前
hereここにthereそこに

  
◇   
6. Last year(M), she(S) said(V) [that she would take exercise everyday this year](O).「今年は毎日運動するつもりだと去年彼女は言った」

[11] Last year(M), she(S) said(V) ,”I will take exercise everyday next year.”(O)「去年、『来年は毎日運動するつもりだ』と彼女は言った」
[12] Last year(M), she(S) said(V) [that she would take exercise everyday this year](O). 「去年、今年は毎日運動するつもりだと彼女は言った」
[11]直接話法には時の副詞が2つ含まれていますね。(last yearとnext yearです。)文頭にあるlast yearは、彼女(発言者)がいつ言ったのかを示しています。これは[12]間接話法でも変わりませんね。しかし、引用符内のnext yearは違います。[11]の引用符内は、「去年の彼女(発言者)の立場」からの発言です。それに対して[12]の名詞節内は、「今年の私(伝達者)の立場」からの発言ですね。去年、彼女がnext year「来年は」と言っているということは、今年の私から見れば、それはthis year「今年は」ということになります。伝達者の立場や状況を考えること、慣れてきましたか。
 
いかがでしたでしょうか。しつこいようですが、話法の転換をする際、機械的に副詞や副詞句を変えるのではなく、その内容(伝達者の立場・状況)に合わせて変えること。これを常に念頭に置くようにして下さいね。それでは、また。

(E-文 826<第40回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
 

2008年11月13日

E-文 826<第39回>

E-文826
               〜第39回「時制の一致、ふたたび」〜
 
こんにちは、Mr. Oです。今日は非常に短いです。というのも、前回・前々回の話が理解できていれば難なく読める英文ばかりだからです。逆に言うと、今回の英文が分からなかった人はE-文第37〜38回に戻って読み直してみる必要あり、ということです。
 
■時制・時の転換の視点
1. I will say that I broke an antique vase.
「骨董品の花瓶を割ってしまったと言うつもりだ」
2. I said that I could help him clean up his room.
「彼の部屋の掃除を手伝えると言った」
3. I said that I had stayed at a capsule hotel.
「カプセルホテルに泊まったと言った」
4. I said that my husband could not come to the Halloween party.
「私は夫がハロウィンパーティーに来られないと言った」
5. My grandfather always said that time is money.
「祖父は、いつも時は金なりと言っていた」


それでは解説です。今日は時制・時の転換の視点です(1〜5番)。
1. I(S) will say(V) [that I broke an antique vase](O).「骨董品の花瓶を割ってしまったと言うつもりだ」

        [1] I(S) will say(V) ,”I broke an antique vase.”(O)
        [2] I(S) will say(V) [that I broke an antique vase](O).
今回も、前回同様[1]、[3]などの奇数番号は直接話法、[2]、[4]などの偶数番号は間接話法です。
1番は時制の一致が起きていませんね。なぜだか分かりますか?主節の動詞(will say)が過去形・過去完了形ではないからです。

2. I(S) said(V) [that I could help him clean up his room](O).「彼の部屋の掃除を手伝えると言った」

        [3] I(S) said(V) ,”I can help him clean up his room.”(O)
        [4] I(S) said(V) [that I could help him clean up his room](O).
今度は時制の一致が起きていますね。主節の動詞(say)が過去形です。 [3]の引用符内の動詞(can help)の時制は現在形ですから、主節の動詞に合わせて時制が過去にずれています。(could helpになっていますね。)

3. I(S) said(V) [that I had stayed at a capsule hotel](O). 「カプセルホテルに泊まったと言った」

        [5] I(S) said(V) ,”I stayed at a capsule hotel.”(O)
        [6] I(S) said(V) [that I had stayed at a capsule hotel](O).
今度は引用符内の動詞(stay)の時制が過去形です。時制の一致が起きますから(主節の動詞(say)の時制が過去ですよ)過去形のstayedをさらに過去にずらしてhad stayedになっています。(過去完了形の大過去を用いるんでしたね。)

4. I(S) said(V) [that my husband could not come to the Halloween party](O).「私は夫がハロウィンパーティーに来られないと言った」

[7] I(S) said(V) ,”My husband can not come to the Halloween party.”(O)
[8] I(S) said(V) [that my husband could not come to the Halloween party](O).
引用符内に助動詞があるケースが4番です。主節の動詞が過去形ですから、時制の一致が起きますね。助動詞canはどうなるかというと、[8]のように助動詞の過去形を使えばいいんです。

5. My grandfather(S) always said(V) [that time is money](O).「祖父は、いつも時は金なりと言っていた」

        [9] My grandfather(S) always said(V) ,”Time is money.”(O)
        [10] My grandfather(S) always said(V) [that time is money](O).
主節の動詞が過去形。ということは、時制の一致が…起きていません。なぜだか分からない人は是非E-文第37回に戻って下さい。時制の一致が起きない例外がありましたね。もう1度紹介しておくと、『不変の真理』、『社会的通念』、『現在の状態・習慣・特性・職業』、『歴史上の事実』を表す場合は時制の一致が起きません。また、『仮定法』を用いる場合も時制の一致を受けないんでしたね。

いかがでしたでしょうか。E-文第37回の時制の一致、第38回の話法の転換が分かっていれば、問題なく読み進められたはずです。次回は人称代名詞や副詞を含んだ、もう少し複雑な話法を扱っています。それでは、また。
 
(E-文 826<第39回>おわり。)文責;Mr. O
 
 
From 西宮校の部屋  

  


2008年11月12日

E-文 826<第38回>

E-文826
               〜第38回「文の種類と伝達動詞」〜
 
こんにちは、Mr. Oです。今回から本格的に話法を扱っていきます。今日は文の種類によって使い分けられる動詞に注目していきましょう。また、前回学んだ時制の一致も当然の如く使われています。時制の一致がまだ理解できていない人は、E-文第37回をまず読んでから戻ってきて下さいね。
 
■動詞の転換の視点
1. I said that I loved her.
「彼女が好きだと言った」
2. I told him that I knew the girl playing the piano.
「ピアノを弾いている少女を知っていると彼に言った」
3. My father asked me if I wanted to go out.
「父は私が外出したいどうか尋ねた」
4. I asked her where she wanted to go during the summer vacation.
「夏休みにどこに行きたいか彼女に尋ねた」
5. I told them to stop going to school by bicycle.
「自転車通学をやめるよう彼らに言った」
6. I asked him to pick me up at the airport.
「空港まで迎えに来てくれるよう彼に頼んだ」
7. I suggested that we do our homework together.
「宿題を一緒にしようと誘った」
8. They exclaimed how beautiful kimono was.
「着物はなんて美しいんだと彼らは言った」
9. We prayed that we might have a happy married life.
「幸せな結婚生活を送りますようにと私たちは言った」
10. He cried out that he wished he could speak English.
「英語を話せたらなぁと彼は言った」


それでは解説です。今日のテーマは動詞の転換の視点です(1〜10番)。
まず初めに、話法について少しお話ししておきます。話法とは話された内容の伝え方を指し、直接話法と間接話法とがあります。発言者のコトバをそのまま伝えるのが直接話法、発言者のコトバを伝達者のコトバに直して内容を伝えるのが間接話法です。
ちなみに[1]、[3]などの奇数番号は直接話法、[2]、[4]などの偶数番号は間接話法を使った英文です。それでは見ていきましょう。
11. I(S) said(V) [that I loved her](O).「彼女が好きだと言った」
    次の2文を見て下さい。
        [1] I(S) said(V), “I love her.”(O)
        [2] I(S) said(V) [that I loved her](O).
●[1]が直接話法、[2]が間接話法です(ちなみに[2]は1番の英文です)。[1]のような直接話法の特徴は、先程書いた通り、発言者のコトバをそのまま伝えることです。そのコトバを引用符(” “)を使って表しています。引用符の直前にはコンマを置く、引用符内の最初は大文字にする、ピリオドは引用符内に置く、といった点に注意して下さい。
[2]のような間接話法では引用符が使われていません。コトバをそのまま伝えているのではなく、内容を伝えているのがこの間接話法なんです。間接話法では時制の一致を考えねばなりません。(E-文第37回で勉強した通り、主節の動詞が過去形、過去完了形のとき時制の一致は起きますよ。)
[1]を[2]に書き換えるとき、「伝えられる内容」(I love her)に接続詞thatを補って名詞節を作っています。この名詞節、[2]の動詞sayの目的語になっていますね。このように、「伝えられる内容」が名詞節として目的語になることもまた、間接話法の特徴です。
時制の一致は大丈夫ですね。主節の動詞(say)の時制が過去形なので、従属節の動詞(love)の時制も間接話法では過去形にしていますよ。

12. I(S) told(V) him(O1) [that I knew the girl playing the piano](O2).「ピアノを弾いている少女を知っていると彼に言った」

        [3] I(S) said(V) /to him(M)/, “I know the girl playing the piano.”(O)
        [4] I(S) told(V) him(O1) [that knew the girl playing the piano](O2).
引用符を用いた[3]が直接話法ですよ。さて、[3]から[4]への書き換えで、1番とは大きく異なる点がありますね。[3]の主節の動詞saidが[4]ではtoldになっています。このように、直接話法から間接話法に書き換えたとき、動詞が転換する場合があるんです。今回注目すべき点は、この動詞の転換です。(sayやtellなどのように、情報の発信や受信を表す動詞のことを伝達動詞と言います。つまり、今日のテーマは伝達動詞ということです。)
1番のように、聞き手が表されない場合、間接話法でも伝達動詞sayを用いますが、2番のように聞き手が表される場合は、伝達動詞tellを使います。tell O1[人] O2[事]「O1にO2を伝える」のO2に「伝えられる内容」が書かれています。これが平叙文(主観の入らない、ありのままを伝える文)の間接話法です。

13. My father(S) asked(V) me(O1) [if I wanted to go out](O2).「父は私が外出したいどうか尋ねた」

        [5] My father(S) said(V) /to me(M)/, “Do you want to go out?”(O).
        [6] My father(S) asked(V) me(O1) [if I wanted to go out](O2).
今度は疑問文です。伝達動詞を見てみましょう。[6]間接話法ではaskが使われていますね。ask O1[人] O2[事]「O1にO2を尋ねる」ですよ。さらに、名詞節内で使われる接続詞がif(whetherでもいいですよ)になっています。if S’V’=whether S’V’が名詞節の形をとるとき、「S’V’するかどうか」という訳になるんでしたね。「私が行くかどうか」を「尋ねた」んです。やはり時制の一致が起きているので、[5]のwantが[6]のようにwantedになっています。
ここで、[5]の引用符内でyouが使われていることに気付きましたか。これはまた後々取り上げますが、直接話法から間接話法に書き換えるとき(間接→直接の場合もそうです)、人称代名詞が変化する場合があるんです。
(※これは、誰の立場で「伝えられる内容」が述べられているかが異なるからです。直接話法は発言者のコトバで、間接話法は伝達者のコトバで伝えられるんでしたね。[5]は父(発言者)の立場で私(聞き手)にyouと言っているので、引用符内のyouは私のことです。しかし、[6]は私(伝達者)の立場で言っているので、名詞節内ではIが使われているんです。)

14. I(S) asked(V) her(O1) [where she wanted to go during the summer vacation](O2).「夏休みにはどこに行きたいか彼女に尋ねた」

[7] I(S) said(V) /to her(M)/ ,”Where do you want to go during the summer vacation?”(O)
[8] I(S) asked(V) her(O1) [where she wanted to go during the summer vacation](O2).
4番も疑問文ですが、疑問詞を伴った疑問文です。疑問文ですから、[8]間接話法では伝達動詞はやはりaskが使われていますね。しかし、名詞節内が3番とは異なります。4番では疑問詞whereが使われていますね。疑問詞+(S’)V’という形で名詞節を作っています。(4番も人称代名詞が転換されていますが、これに注目するのはまた後ほど。)

15. I(S) told(V) them(O) [to stop going to school by bicycle](C).「自転車通学をやめるよう彼らに言った」

        [9] I(S) said(V) /to them(M)/ ,”Stop going to school by bicycle.”(O)
        [10] I(S) told(V) them(O) [to stop going to school by bicycle](C).
今度は命令文です。[10]間接話法で伝達動詞tellが使われていますが、2番とは異なります。何が違うかと言うと、文型です。こちらは第5文型ですね。(2番は第4文型でした。)tell A to V’「AにV’するよう言う」という表現を用いて、5番の命令のニュアンスを表しているんです。
ちなみに、to不定詞を用いるこの形では、時制の一致を考慮する必要がありません。

16. I(S) asked(V) him(O) [to pick me up at the airport](C).「空港まで迎えに来てくれるよう彼に頼んだ」

        [11] I(S) said(V) /to him(M)/ ,”Please pick me up at the airport.”(O)
        [12] I(S) asked(V) him(O) [to pick me up at the airport](C).
次は依頼文です。ask A to V’「AにV’するよう頼む」という表現が使われていますね。3〜4番と同じ伝達動詞askを用いていますが、6番は第5文型ですからね。また、5番同様時制の一致を気にする必要がありません。

17. I(S) suggested(V) [that we do our homework together](O).「宿題を一緒にしようと誘った」

        [13] I(S) said(V), “Let’s do our homework together.”(O)
        [14] I(S) suggested(V) [that we do our homework together](O).
7番はLet’s V’という形の勧誘文、です。[14]間接話法では伝達動詞suggest「提案する」が使われています。この[14]、どこかで見たことのある形だと思いませんか?そうです、仮定法現在です。仮定法が用いられているということは、時制の一致を受けないということでしたね。(E-文第37回で勉強しました。)

18. They(S) exclaimed(V) [how beautiful kimono was](O).「着物はなんて美しいんだと彼らは言った」
●さぁ感嘆文に参りましょう。感嘆文とはHow+[形容詞/副詞]+S’V’!やWhat a/an+[形容詞]+[名詞]+S’V’!という形をとって、喜び・悲しみ・驚きなどの感情を表す文のことですね。
    [15] They(S) said(V) ,”How beautiful kimono is!”(O)
    [16] They(S) exclaimed(V) [how beautiful kimono was](O).
伝達動詞はexclaim「(興奮して)叫ぶ」を用いています。8番では時制の一致がきちんと起きていますよ。
また、伝達動詞と感情を表す副詞(又は副詞句)を組み合わせ、次のように書き換えることも可能です。
They(S) said(V) /with surprise(M)/ [that kimono was very beautiful](O).

19. We(S) prayed(V) [that we might have a happy married life](O).「幸せな結婚生活を送りますようにと私たちは言った」

    ●最後に祈願文です。
        [17] We(S) said(V) ,”May you have a happy married life.”(O)
        [18] We(S) prayed(V) [that we might have a happy married life](O).
祈願文の典型的な構文が[17]のMay S’V’「S’がV’しますように」です。これを間接話法で書いたのが[18]です。伝達動詞にはpray「祈る」を用いています。接続詞thatを補って名詞節をつくり、時制の一致が起きて助動詞mayがmightになっていますね。
ちなみに、次のように平叙文で書き換えることも可能です。
We(S) expressed(V) [her wish that we might have a happy married life](O).
◇    
20. He(S) cried out(V) [that he wished he could speak English](O).「英語を話せたらなぁと彼は言った」
●10番も祈願文ですが、9番とは異なり、仮定法が使われています。
        [19] He(S) said(V) ,”I wish I could speak English.”(O)
        [20] He(S) cried out(V) [that he wished he could speak English](O).
[19]は仮定法過去です。つまり、これを話している時点での反事実を表しているんですね。「彼がこのセリフを発したそのとき、彼は英語が話せなかった」ことが分かります。
伝達動詞はcry out「叫ぶ」を用いています。(ちなみに[20]ではcry outを句動詞とみて、その後ろに続くthat節を目的語と捉えています。句動詞の復習がしたい人はE-文第6回23〜25番へ!)
ここで、時制の一致に関して注意が必要です。引用符内のwishは時制の一致が起き、間接話法ではwishedになっています。しかし、could speakは仮定法過去ですから、時制の一致が起きていません。仮定法は、時制の一致が起きない例外に含まれていましたよね。
 
いかがでしたでしょうか。直接話法→間接話法の書き換えに慣れてきたら、今度は間接話法→直接話法の書き換えにも挑戦してみて下さい。初めは時間がかかるかもしれませんが、徐々に慣れていけば大丈夫ですよ。それでは、また。

(E-文 826<第38回>おわり。)文責;Mr. O


From 西宮校の部屋
  

2008年11月11日

E-文 826<第37回>

E-文826
〜第37回「主節が過去なら」〜
  
こんにちは、Mr. Oです。今日は否定を終えて、次の単元である話法に移ります。今回はその導入。時制の一致を取り上げます。日本語に惑わされないで時制をずらしましょう。
 
■否定を強める表現
1. I am not in the least afraid of dogs.
「犬なんか全然怖くない」
2. There is no doubt whatever about what he says.
「彼の言うことに関しては何の疑いもない」
3. This record player is in no way to be used.
「このレコードプレーヤーは全く使えない」
時制の一致
4. I didn’t understand what he was saying.
「彼が何を言っているのか分からなかった」
5. I didn’t know the place where my grandmother had been born.
「祖母が生まれた場所を知らなかった」
6. I checked carefully so that I wouldn’t miss any errors.
「間違いを見逃さないよう、よく調べた」
7. Today, we learned that fourteen divided by seven gives two.
「今日は14÷2=7を学んだ」
8. I just wanted to know what Mr. Brown does.
「私はただブラウンさんの職業が知りたかっただけだ」
9. Didn’t you know that Ryoma Sakamoto was born in Kochi?
「坂本龍馬が高知生まれであることを知らなかったんですか」
10. I suggested that we have pizza for lunch.
「お昼にピザを食べようと提案した」
 

それでは解説です。まずは否定を強める表現(1〜3番)。
1. I(S) am not(V) /in the least/ afraid(C) /of dogs(M).「犬なんか全然怖くない」
●1番はただ「怖くない」と言っているのではありません。「怖くない」という否定をin the leastを加えることによって強めている構文です。not 〜 in the least=not 〜 at all「全然〜ない」と覚えておいて下さい。not 〜 at allは知っている人も多いかもしれませんね。
        I(S) am not(V) afraid(C) /of dogs(M) /at all(M).

2. There(M) is(V) [no doubt whatever about what he says](S).「彼の言うことに関しては何の疑いもない」
2番はdoubtという名詞を強調しています。no+[名詞]+whateverで「少しの[名詞]もない」という意味になります。正確には「[名詞]がない」ことを強調しているので、名詞の前にnoを置いて下さいね。

3. This record player(S) is(V) /in no way(M) /to be used(M).「このレコードプレーヤーは全く使えない」
●最後はin no way「全く〜ない」を紹介します。これも「使えない」という否定を「全く使えない」と強調しているんですね。否定を強める表現です。

続いて新しい単元、話法に入りましょう。今回は時制の一致です(4〜10番)。
時制の一致とは、主節の動詞の時制に合わせて、従属節の動詞の時制を過去形にすることです。これは、主節の動詞が過去形や過去完了形のとき起きます。
日本語訳にだまされないようにして下さいね。英語では主節が過去なら、原則、従属節も過去にずらすんです。
4. I(S) didn’t understand(V) [what he was saying](O).「彼が何を言っているのか分からなかった」
●4番の英文だけでは時制の一致がピンとこないかもしれません。下の英文を見て下さい。
[1] I(S) don’t understand(V) [what he is saying](O).「彼が何を言っているのか分からない」
この英文のdon’t understand「分からない」を過去にずらした英文が4番です。ただ助動詞don’tをdidn’tにしただけではないですね。名詞節内のis sayingも過去形にされています。主節の動詞(don’t understand)の時制に合わせて、従属節の動詞(is saying)の時制を過去形にする。これが時制の一致です。

5. I(S) didn’t know(V) [the place where my grandmother had been born](O).「祖母が生まれた場所を知らなかった」
●4番は名詞節内の時制に注目しました。今度は形容詞節です。名詞のカタマリ[the place (where my grandmother(S’) had been born(V’))](O)の中身を見て下さい。関係副詞