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Biological Stories 4

Biological Stories (第4回)
  〜少し名前を変えてみました!(しばらく教養ネタに入ります)〜
        
  死は仕組まれた運命 
  
(第1回)我々を構成する細胞
   
 「分類」は理解のために有効な手段のひとつです。分類するためには複数の特徴のなかから重要な特徴とさほど重要でない特徴を見抜かねばならないからです。
 ところで皆さんが地球上の全生物を二分類するなら、どう分けますか?
 「動物」と「植物」でしょうか。
   
 動物 と 植物 
   
 動物は動く事が出来、植物は動けません。これが最も目立つ違いです。しかし、動物と植物にはもっと大切で本質的な違いがあるのです。それは生態系におけるエネルギーや物質の循環に関して果たす役割の違いです。
  
植物は他の生物(あるいは生物の作った有機物)を食べる必要がありません。
肥料には腐葉土など死体的なものが含まれているので、植物は生物の死体を吸収しているとか、植物の根は動物の口や消化管に当たるものと誤解をしている方もおられるかも知れません。
しかし、植物の吸収活動は動物のそれとは全くの別物です。
植物は消化を行いませんし、必要もありません。植物は日光のエネルギーを利用できるため、他の生物の作った栄養分を一切必要としないのです。つねに他の生物の命を奪いつづける必要のある動物とは、その部分が違うところなのです。
 生態系内では他の生命も(勿論自分自身も)利用できるようなエネルギー源を新たに作り出す働きを担っているので、植物は「生産者」と呼ばれています。
   
 それに対して動物は食物中の化学エネルギー以外に利用できるエネルギー源がありませんから、自分の生命活動に必要なエネルギーの全てを他の生物のからだを食べる事で手に入れます。
 エネルギーの面で言えば「使う」ばかりで他の生物が利用できるような形の「エネルギー源」を新たに作り出すことがないのです。
 ですから、生態系内でのエネルギーの流れという観点からは、動物は「消費者」と呼ばれています。
    
 動く・動かないといった表面的な違いだけでなく、生態系での役割の違いでみても、動物と植物で2分するのは理にかなっているといえるでしょう。
   
 ところで、世の中には動物と植物の間の違いが小さく感じるほどの、はるかに異質な生き物がいるのをご存知ですか?
 形も生き方も全く異なる生物・・・。それは、細菌類の仲間です。
    
 細菌類は別名原核生物と呼ばれます(バクテリアなどと呼ばれることもあります。ウイルスは全くの別ものです)それに対して我々が普段見かける生物は真核生物と呼ばれています。細菌類は、われわれが普段よく見かける生物達とは細胞の内部構造からして全く違っています。
    
 ここで真核細胞と、原核細胞との違いを少しお話ししましょう。
   
 真核細胞 
  
 真核細胞と原核細胞は見た目だけでも区別できます。
 われわれの細胞=真核細胞を顕微鏡で見ると、細胞内に目立つまるい構造が見えます。
 これが「核」と呼ばれる部分で、ここには生存に必要な遺伝情報(DNA)が高度に折り畳まれて詰め込まれています。ちなみに細胞内の核以外の部分は細胞質と呼ばれています。こちらでは様々な生命活動が行われています。
   
 真核細胞ではこのように「情報を蓄えておくための部分=核」と「実際に生命活動が行われる部分=細胞質」が明確に区分されています。さらに細胞質内には、ミトコンドリアや葉緑体などの特定の機能を担当するための構造物、すなわち細胞小器官が存在しています。
 真核細胞は成立した最初期から現在と同程度に高機能化していたと考えられています。
  
 核という「遺伝情報を保存しておく専用の空間」を確保したためなのか、真核細胞は非常に沢山のDNAを保持した細胞になりました。
 この多くの遺伝子を溜め込むことが出来るという性質が、後で述べる多細胞生物への道をひらいたと考えられています。

 原核生物
   
原核細胞でできた生物を原核生物といいます。現存の原核細胞は限りなく無駄を省いた細胞です。
先程述べた真核生物は情報をたくさん抱え込むことで、多様な可能性を開いた生物と理解すると良いでしょう。それに対して原核生物は増殖速度を生存の武器にした生物です。
細胞構造を複雑にせず、保持する情報量は必要最低限とする。これは大量生産に適した特徴です。ただし必要以外のものを徹底的に切り捨てているため、ここから革新的な変化を生み出すことは難しいでしょう。(環境に対応して最大限の速度で個体数を増やす戦略を採るにはこれしか方法がなかったのでしょう)
   
 原核生物の一種である大腸菌の細胞内に含まれるDNA量の少なさを見れば、原核生物の無駄(あるいは余裕)のなさが理解できるかも知れません。
 大腸菌の遺伝子(生命にとって道具に当たるタンパク質の設計図)の数は、人間の数十分の一です。しかし、細胞内に含まれるDNAの量で比較すると、その量はじつに1000分の一以下なのです。
 しかも原核細胞の場合、核膜で包まれた明瞭な核が存在しないためDNAは細胞膜の内側に散らばっていますし、細胞小器官も存在しません。
   
 構造が比較的単純でしかも遺伝情報量もコンパクトなため、原核生物は非常に速く増殖することが出来ます。たとえば大腸菌の場合なら良好な条件下では20分に一度分裂できるので、例えばたった半日以内で、一個の細胞から人類の全人口数である60億程まで増殖するのです。
   
 次回は多細胞生物と単細胞生物の違いについてお話していきたいと思います。

(第4回 終わり  文責:上田@生物)
   

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