主体性を英語で・・・(今西錦司)
主体性を英語で言うと、おそらく、”self-direction”くらいになると思います。
辞書ではindependenceあたりを割り当てている場合もあるかもしれません。
independenceはIndependence Day(独立記念日)のindependenceです。
昨日少し書いた【主体性】について、英語で説明しようとして、どうしても適切な
訳語がなくて、今西錦司は"shutaisei"とそのまま英語にしたと語っています。
フィールドワークをしっかりとやって、誰よりも自然を見つめていると、机上の理論では
どうしてもおかしいことが出てくるのだと思います。
例えば、足の速いシマウマと足の遅いシマウマがいたとき、どちらがライオンの餌食
になるかというと、それは結局「運」なのです。
運動会で競争をしていて、その一番後ろにいつもライオンがいるなら別ですが、
ライオンはたまたまおなかがすいているときに、たまたま自分の位置から
一番ねらいやすいシマウマを選んで、追いかけるのではないでしょうか。
もちろん、シマウマは足が遅いより早いほうがいいのですが、そんなこととは
別の要素で(食うか食われるかの決定的なことが)決まってしまうことが多い。
常に自然を見つめていた今西錦司が見た世界は、そんな世界だったのでしょう。
種として社会を形成している集団は基本的には環境に適応している。
そこに突然変異がおこっても、普通はそれがなくなる方向に淘汰がかかる。
たまたま首の長いキリンが生まれて、高い木の葉を食べるのに有利であっても
普通は、何世代かたつ間に、そんな変な特長は消えて、草原で暮らしやすい
ように種の社会はまとまっていく。
そのような事実をきちんと目の当たりにしていた今西錦司は、それならば、
どうしてキリンの首が長くなったかといえば、長くなりたいから長くなった。
あるときいっせいに首が長くなって、高い木の葉を食べる集団になった。
そうすることによって、草原で草を食べている他の種とは違う環境に自分たちの
暮らしていく社会を求めた(もしかしたらもとの環境に飽きて?あらたな環境を求めた?)。
そう考えたのだと思います。そして、
いっせいに首を長くするぞ!ということで首を長くする力?が主体性。
それって、どれだけ英米人に説明してもわかってもらえないから、"shutaisei"
とそのまま訳したのでしょうか。
From なんでも部屋