英語 de エイガ 8 FLAGS OF OUR FATHERS(邦題「父親たちの星条旗」)
FLAGS OF OUR FATHERS(邦題「父親たちの星条旗」)2006年アメリカ(公開中)
The thing I did, the thing I saw, there's nothing to be proud of.
(僕のしたこと、僕の見たもの、何も誇れるものなんてない)
精力的に活動しているクリント・イーストウッド監督最新作だ。イーストウッドと言えばあまりに活動期間が長いので、オンタイムで見た映画でだいたい年齢が分かるというくらい出演映画が多い。西部劇世代、ダーティー・ハリー世代(僕はこの時期からですね)、そして映画監督世代。ジョディー・フォスターみたいに役者で映画を監督して全く売れない例もあるが、イーストウッドは何とアカデミー賞監督なのだからすごい。この前の「ミリオンダラー・ベイビー」は監督賞・作品賞をとったが、この映画はお勧めだ。出だしは女性ボクサーの話なのだが、後半はボクシング映画でなく180度別の話になって、最後に考えさせられる映画になっている。
1945年に硫黄島の戦いで衛生兵として参加、その後生き残りながらも戦争について全く息子にも語らないままこの世を去った父親。息子は真実の硫黄島を探ろうと取材を始めていく。
映画自体は回想の中での戦闘シーンをメインに進んでいく。終戦の約半年前の硫黄島。山の頂上に星条旗を立てた6人の兵士達の写真は、当時反戦の世論が広がり始めていたアメリカを戦争擁護論へ導く事になっていく。しかしその後5日で制圧するはずの硫黄島は1ヶ月以上の泥沼にはまっていく。
アメリカ軍が硫黄島に上陸していくシーンが圧巻。スピルバーグの「プライベート・ライアン」という映画をご存知だろうか。あの冒頭のノルマンディー上陸作戦の戦闘シーン。まさにあれなのだ。このシーンは背筋が凍る思いがする。余りにリアル過ぎて顔をそらすことも出来ずに体は動かない。
一体人間は、なぜこんな愚かなことができるのか。人間と人間が殺しあっているのだ。憎しみでもなく、復讐でもなく、単に外国人が前にいるだけで。腹から内臓をまきちらしながら尊い命はごみのように肉片になっていく。人間は地球に必要な生物なのか??
12月9日、今度は同じ監督、同じ題材で、日本の立場から見た硫黄島の戦い「硫黄島からの手紙」が公開される。この2部作をしっかりと見届けたい。(TK)