« 英語deエイガ98 『ボーン・スプレマシー』 DVDレンタル編 | メイン | 日本「誤」録〜あなたの辞書に間違いはない?〜 »

英語deエイガ99 『レミーのおいしいレストラン』 第80回アカデミー賞シリーズ DVDレンタル編

原題RATATOUILLE/2007年/ディズニー・ピクサー/120分
第80回アカデミー長編アニメ賞受賞
その他、ノミネート音響効果賞/脚本賞/作曲賞/音響賞

監督:ブラッド・バード(『Mr.インクレディブル』)
声:イアン・ホルム(『エイリアン』)、ピーター・オトゥール(『アラビアのロレンス』)他

ディズニーと言えば日本でも知らない人はいない。またピクサーと言えばかつてはディズニーと袂を分かつ仲だった。この2社がくっついて作品を作ることになったのも時代の変化だろうか。

フランスはパリ。ネズミのレミーは人間界に興味津々だ。何といっても彼(?)は料理の達人なのだ。いつかはフランス1の料理人になりたいと思っている。
一方レストラン・グストーの料理長グストーの息子リングイニはこのレストランで働くようになった。しかしリングイニは全く料理ができないのだ。何とかしてこのネズミのレミーとリングイニは共同してフランス1の料理人になろうと決心する。さてその二人(?)のとった方法とは?

まさかアカデミー賞を取るとまでは思っていなかったので見逃していた作品。たかがアニメとあなどってはいけない。これは「傑作」です。ポイントは2つあると思う。

1つ目。それはアニメーションの美しさと滑らかさ。ネズミと人間がいない背景のシーンだけ見るとそれは現実のそれと勘違いするほどだ。

2つ目。この映画にはメッセージがある。友人同士の愛、家族の愛、男女の愛とは何かを問う。そして忘れてはいけないのが「ネズミ」と「人間」の対立だ。人間はネズミを汚いものとして忌み嫌う。その結果ネズミは人間を忌み嫌うのだ。私はネズミがきれいと言っているのではない。これは深読みすると「人種差別」を痛烈に批判している。この映画を観てそんな解説を書く人は恐らく誰もいないだろうが、私にははっきりそう見える。そうですよね、監督!

しかしそんなに肩ひじはって観る必要はない。単なる娯楽作品としても、大人が観るに充分耐える、いや、大人向けのアニメーションなのだ。公開時に観ていたら間違いなくナンバー5に入った作品。アカデミー賞、当然。

映画最後のこれも痛烈な人間への皮肉だ。
“The world is often unkind to new talent, new creations.”
(世界は新しい才能、新しい創造にしばしば冷酷である)

人間は誕生して200万年、全く進化していないのだ。(TK)


第80回アカデミー賞主要部門制覇率(★が受賞作、太字が筆者鑑賞済み)
【作品賞】
★「ノーカントリー」
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「フィクサー」
「つぐない」
「JUNO ジュノ」

【監督賞】
★ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン(「ノーカントリー」)
ポール・トーマス・アンダーソン(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
トニー・ギルロイ(「フィクサー」)
ジェイソン・ライトマン(「JUNO ジュノ」)
ジュリアン・シュナーベル(「潜水服は蝶の夢を見る」)

【主演男優賞】
★ダニエル・デイ=ルイス(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
ジョージ・クルーニー(「フィクサー」)
ジョニー・デップ(「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」)
ビゴ・モーテンセン(「Eastern Promises(原)」)
トミー・リー・ジョーンズ(「告発のとき」)

【主演女優賞 】
ジュリー・クリスティ(「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」)
★マリオン・コティヤール(「エディット・ピアフ 愛の賛歌」)
ケイト・ブランシェット(「エリザベス:ゴールデン・エイジ」)
ローラ・リニー(「The Savages(原)」)
エレン・ペイジ(「JUNO ジュノ」)

【助演男優賞】
★ハビエル・バルデム(「ノーカントリー」)
トム・ウィルキンソン(「フィクサー」)
ケイシー・アフレック(「ジェシー・ジェームズの暗殺」)
フィリップ・シーモア・ホフマン(「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」)
ハル・ホルブルック(「イントゥ・ザ・ワイルド(原)」)

【助演女優賞】
ケイト・ブランシェット(「アイム・ノット・ゼア」)
★ティルダ・スウィントン(「フィクサー」)
ルビー・ディー(「アメリカン・ギャングスター」)
シアーシャ・ローナン(「つぐない」)
エイミー・ライアン(「Gone Baby Gone(原)」)

【外国語映画賞】
「ボーフォート レバノンからの撤退」(イスラエル)
★「ヒトラーの贋札」(オーストリア)
「モンゴル」(カザフスタン)
「Katyn(原)」(ポーランド)
「12(原)」(ロシア)

【長編アニメーション映画賞】
★「レミーのおいしいレストラン」
「ペルセポリス」
「サーフズ・アップ」

【脚本賞 】
「フィクサー」
★「JUNO ジュノ」
「ラース・アンド・ザ・リアル・ガール」
「レミーのおいしいレストラン」
「The Savages」

【脚色賞 】
★「ノーカントリー」
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「つぐない」
「潜水服は蝶の夢を見る」
「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」


【撮影賞 】
「ノーカントリー」
★「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「つぐない」
「潜水服は蝶の夢を見る」
「ジェシー・ジェームズの暗殺」

【編集賞】
「ノーカントリー」
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「潜水服は蝶の夢を見る」
★「ボーン・アルティメイタム」
「イントゥ・ザ・ワイルド(原)」

【美術賞】
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「つぐない」
★「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
「アメリカン・ギャングスター」
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」

【衣裳デザイン賞】
「つぐない」
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
「エディット・ピアフ 愛の賛歌」
★「エリザベス:ゴールデン・エイジ」
「Across the Universe」

【作曲賞】
★「つぐない」
「フィクサー」
「レミーのおいしいレストラン」
「3:10 To Yuma」
「君のためなら千回でも」

【歌曲賞】
★“フォーリング・スローリー”(「once ダブリンの街角で」)
“That's How You Know”(「魔法にかけられて」)
“Happy Working Song”(「魔法にかけられて」)
“So Close”(「魔法にかけられて」)
“Raise It Up”(「August Rush」)

【音響賞】
「ノーカントリー」
「レミーのおいしいレストラン」
★「ボーン・アルティメイタム」
「トランスフォーマー」
「3:10 To Yuma」

【音響効果賞】
「ノーカントリー」
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
「レミーのおいしいレストラン」
★「ボーン・アルティメイタム」
「トランスフォーマー」

【メイクアップ賞】
★「エディット・ピアフ 愛の賛歌」
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」
「マッド・ファット・ワイフ」

【視覚効果賞】
★「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」
「トランスフォーマー」

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.up-edu.com/mt/mt-tb.cgi/1948

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)