数学のススメ〜蜜蜂の巣はなぜ正六角形なのか〜
今回は少し変わったお話をしてみたいと思います。
「蜜蜂は天国からハチミツという神々の食物の分け前を人類に運んできてくれる。
神々の食物の分け前だからハチミツはそれにふさわしい器に入れなければならない。
器はぎっしり詰まっていて、不純物が入らないようなものでなければならない。
そこで蜜蜂は正六角形で埋めつくされた巣を選んだ。
正三角形でも正四角形でもぎっしり埋めつくせるが、同じ巣の材料を使って、できるだけ沢山のハチミツを入れるには正六角形がふさわしいことを蜜蜂たちは本能的に知っているのである」
これは、紀元3世紀のギリシアの数学者ハッポスの書いた「数学集成」という本に載っている「蜜蜂の巣の話」に書かれているものです。
平面を正多角形で隙間なく埋めつくすには、正三角形、正四角形、正六角形の3種類しかありません。
このうちで、周の長さが等しいとき面積が最大になるのは正六角形なのです。
蜜蜂は、こういうことを本能的に身につけていて、正六角形につくっているというわけです。
周が12の正三角形、正四角形、正六角形の面積は、それぞれ4√3=6.92、9、6√3=10.39になります。
正六角形の場合は、正三角形の実に1.5倍にもなります。
周の長さが等しい正多角形では、辺数が増えるほど面積も大きくなります。
円にしたときが面積は最大になり、周が12の円の面積は36/π=11.46にもなります。
しかし、正八角形や円では平面を隙間なく埋めつくすことはできません。
隙間なく埋めつくすことができて、しかも面積を一番大きくするには正六角形の巣穴をつくるのがよいわけです。(MH)
幾何学の成果は、さまざまな線や面や立体の、あるいはそれらを組み合わせたものの自然の性質にほかならない。それらの大部分は、人間が現われるより、はるか以前から存在していたものである。――――――(エンゲルス)