日本「誤」録〜あなたの辞書に間違いはない?〜
言葉の数が豊富な人は、それだけで鋭い感性をふりまき、「あの人はどこか違う」と一目置かれます。
これからの時代を担う中学生が、大人の仲間入りを果たしていくためにも、「言葉の常識力」を高めていきましょう。
今回は知っているようで知らない言葉にスポットライトをあててみましょう。
◆「役者」と「俳優」はどう違うの?
「役者」も「俳優」も、演技をなりわいとする職業で、舞台、映画、テレビのドラマなど分野に関係なく両方とも使いますが、実際にはどういう違いがあるのでしょうか。
「役者」はもともと能楽や歌舞伎などで役に扮して演じる人のことを意味する言葉だったという経緯から、主に「演技をする人」という点に重点が置かれています。
一方の「俳優」は映画やテレビのドラマなどに出演して、「演技を職業とする人」を主にいうことが多いようです。
ちなみに、「役者が一枚上」という言葉は、芝居の番付や看板で上位から役者名を記したことから、人物や知恵、駆け引きなどが一段優れていることをいいます。
「俳優」よりも「役者」の演技が一枚上という勘違いをしていた人はこの機会に正しく理解しておきましょう。
◆「芝居」と「演劇」はどう違うの?
室町時代に勧進能や田楽などを芝の生えている原に座して見物したことが「芝居」の語源と言われています。
江戸時代には、見物席を含む劇場や歌舞伎そのもの、また役者の演技も「芝居」というようになります。
そのため、「芝居見物」といえばもっぱら歌舞伎などの日本固有の演劇を観劇することをいいますが、
「あの役者の芝居は下手だ…」などというときの「芝居」は必ずしも日本固有のものではありませんね。
一方の「演劇」は脚本から舞台装置、照明、音楽、演技、演出までを総合的に指します。
西洋演劇の影響を受けた近代演劇が始まると「芝居」も舞台芸術として意識されるようになり、現在では、劇場で演じられるものはすべてを「演劇」といっているようです。
いかがだったでしょうか。
皆さんのよく間違えて覚えていそうな言葉を取り上げていきますので、「この言葉の意味は?」「この敬語正しいの?」といった疑問があればお知らせ下さい。(MH)