偉人に学べ〜世界の箴言、集めました〜
世界や人間の本質を熟知している人々の言葉には感動させられます。
実生活に役立つものも多いでしょう。
毎週火曜日は、世界の著名人が残した箴言(しんげん――いましめとなる短い句のこと)をその背景とともに紹介していきましょう。
技より進む―――荘子
「技術も大切ですが、それよりもっと大切なことがある」という意味です。
料理人の丁さんという人が、文恵君に頼まれて、牛を解体したときの話です。
その包丁の使い方は、まことに見事なものでした。
肩のところをすらりと落とし、足と膝とを流れるようにサラサラとさばく。
あらゆる筋肉を美しい音をパサパサ鳴らしながら刀を進める。
そして、そこには無駄な力はまったく使わなかった。
丁さんの姿は、労働をしているというよりは、女性がやさしくおどりを舞っているようでした。
そこで、文恵君が丁さんに「あなたの技術はすばらしい」と褒めたのに対して答えたのが冒頭の言葉です。
「技などは二の次です。技術よりももった大切なことがあります。牛の解体を始めたときには、牛ばかりを見て、ここをどうしようか、あそこをどうさばこうかとばかり考えていました。3年解体をしているうちに、牛が目に映らなくなりました。すると、牛を目で見て考えながら解体するのではなく、牛の骨や筋肉に従って、大自然の理がうまくさばいてくれるようになったのです。」
本当の意味での職人芸というのはこういうことを表すのではないでしょうか。(MH)