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数学のススメ〜1メートルが決まるまで その後〜

さて、先週はメートル法の長さの単位として、地球の子午線の4000万分の1が決定されたところまでお話したでしょうか。
今日はその続きを語っていきましょう。

子午線の測定には、スペインのバルセロナからパリを経て北フランスのダンケルクまで、緯度差にして約9度の間が選ばれました。
パリを境にして南を分担したのはメシャンでした。

スペインは山岳地帯が多く、測量機械を持って山へ登ったりしていたら、フランス軍を合図をしているスパイに間違われて、何度も「首を切るぞ」と脅かされたといいます。
また当時スペインではペストが流行していました。
バレアレス諸島で測量していたメシャンは、ペストを持ち込むことを恐れられて上陸を拒否されました。
そこで、メシャンはすべての紙を酢漬けにするという条件を出して、ようやく上陸を許可されたといいます。
こんな苦労が続いて、メシャンは途中で死んでしまいます。

メシャンの跡をついだアラゴーも、スパイの疑いを掛けられたので、身の潔白を示そうとして自首したところ、牢屋に入れられてしまいます。

ところが、翌日の新聞に「フランスのスパイ、アラゴーは死刑にされた。彼は男らしく、またキリスト教らしく死を遂げた」と報道されているのを見てびっくりしました。
このままでは本当に殺されると思って牢屋から脱走します。
彼はアフリカのアルジェに逃げて、運よくマルセイユ行きの船に乗り込むことに成功しましたが、この船は途中でスペイン船につかまってしまい、彼も再び牢屋へ連れ戻されます。

ところが、この船にはアルジェからナポレオンへ贈られる2頭のライオンが積み込まれていたので、アルジェからの抗議で船は釈放されます。
しかし、この船の船乗りが航路を誤ってアフリカへ行ってしまい、アラゴーは再び抑留されてしまうのです。

数年後、彼は乞食のような姿でフランスへたどり着きます。
測量の結果だけは下着の中にしまって、無事に持ち帰ったということです。
ここまで来ると、本当に執念のような気がしますね。
皆さんも今のメートル単位はこんな風にして生まれたということを忘れずに使って下さいね。(MH)

測定こそすべてのもとだ。――――――(古代ギリシアの七賢人の言葉)

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