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数学のススメ〜特許の使用料は払われるのか?〜

今回のお話は、実際にありそうな特許に関するお話です。

A社は、優れた基本特許を取りました。
対抗する特許を持っているB社から次のような提案を持ちかけられました。

「A社の特許の独占ライセンスを契約させて頂けないでしょうか。
 貴社の特許を使ったら、高額のライセンス料をお支払いいたします。」
B社は有名な大企業です。
B社に製品を作ってもらった方が、高いライセンス料が入るし、A社にとってはずっと有利だと考えました。
「喜んでお引き受けいたします。」
A社の社長のこの決断は正しいでしょうか?

さて、ゲーム理論を持ち出すまでもなく、この社長は考えを改めた方がよさそうですよ。
よくある手口ですね。
不幸なA社は、これで今後は特許料だけで高成長を遂げられるなんて甘い夢を見ていたようですが…。

さてさて、待てど暮らせどB社からは特許使用料は入ってきません。
たまりかねてB社に問い合わせてみますと…。

「どうして使用料を払って下さらないのですか?」
「おたくの特許を使っていないからですよ。うちの特許の方を使って、製品を作っていますから。」
「いつ特許を使って下さるのでしょうか?」
「今のところ未定です。」

A社の社長もようやく気付いたようですね。
つまり、「独占ライセンス契約」を行うことでB社以外がA社の特許を使えない契約をまず結びます。
その上で、A社の特許を使いません。
こうすることで、B社は特に経費を要せずに、競争相手の特許を完全に封じることができるのです。

よく「数学って何のために勉強するのですか?」という疑問をもつ人がいますが、こういった事例にも対応できる「論理的思考」を養うことも目的の1つではないでしょうか。(MH)

数学的な考え方の力強さと美しさは、その論理の極度の正確さと、その構成のスマートさと、抽象概念の巧みな組み立てにある。――――――(コルデムスキー)

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