偉人に学べ〜世界の箴言、集めました〜
世界や人間の本質を熟知している人々の言葉には感動させられます。
実生活に役立つものも多いでしょう。
毎週火曜日は、世界の著名人が残した箴言(しんげん――いましめとなる短い句のこと)をその背景とともに紹介していきましょう。
邦域の内、みな畏れてこれを愛す。刑政、峻なりといえども、怨む者なし。―――陳寿
正史「三国志」の著者である陳寿が諸葛亮孔明の政治を評した言葉です。
「国中の人々から恐れられながら同時に愛された。厳しい政治を行いながら、国民からそれを怨む声が聞こえてこなかった」ということです。
孔明は「泣いて馬謖を斬る」の故事からも知られるように、厳しい姿勢で部下や国民に臨んでいます。
信賞必罰の厳しい政治だったようです。
無理もありません。蜀は小さな国で、しかも成立してまもない国でした。
その国が命運を賭けて、大国である魏に戦いを挑むのですから。
国民に対する締め付けもきつくならざるを得なかったと思われます。
しかし、国民から恐れられるのはわかるとして、なぜ愛され、なぜ怨む者が出てこなかったのでしょう。
陳寿の言葉によると、
「その心を用うること平らかにして、勧戒すること明らかなるを以ってなり」
ということです。つまりは、公平無私で、賞罰のけじめがはっきりしていたからだというのです。
だから、重い処罰を受けても、罰せられた者は、
「孔明殿のやることに間違いはない。重い処罰を受けたのは自分のほうが悪かったからだ」と納得できたのでしょう。
リーダーには必要不可欠な厳しさですが、それだけでは駄目だという話ですね。(MH)