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兵法書を読み解く〜古の知恵の宝庫をたずねて〜

生きることは戦うことと同じです。
それは古代の手に武器をとって戦う頃から変わることはありません。
毎週水曜日は、様々な兵法書からエッセンスをお伝えしていきましょう。

主は以って徳なかるべからず。徳なければ則ち臣叛く。―――『三略』

「君主には徳がなければなりません。そうでないと、臣下に背かれてしまいます。
 また、威厳も備えていなければなりません。これがないと、臣下に対する押さえがきかなくなってしまいます。」

中国三千年の歴史の中で、唯一の女帝である唐の則天武后は、威と徳を兼ね備えた女傑であったとされています。
例えば、敵対者を叩きつぶすために、二流や三流のいわくつきの人物をあえて登用し、目的を達して彼らの弊害が目立ってきたころにあっさり見限ったりしていたそうです。
こういうやり方で臣下を押さえきったようです。

一方で、こんな話が残っています。
張徳という役人が当時の家畜屠殺禁止令を破って、息子の誕生祝いに羊肉をふるまいました。
ところが、客の一人が肉を持ち帰って武后に密告したのです。

翌日、武后は末席の張徳に、わざわざ男児出産の祝いを述べたあと、どこで肉を手に入れたのかを問いただします。
ひたすら平伏して謝る張徳に対して、こう言ったのです。
「あれほど固く禁じているのにふとどきな奴じゃのう。だがのう、そなたは今後、客を呼ぶのに人を選ぶがよいぞ。」
この一言で張徳はお咎めなしとなったのでした。
厳しいだけではなく、こういう心憎い配慮も示しているのです。

単に注意するだけではなく、ちょっと心に残る一言を残せるようになりたいものですね。(MH)

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